スーパーグローバル大学 「トップ型」採択から1年

-成果・課題・展望は


外国人教員 大幅に増加 新プログラムで国際化進む

慶應義塾のスーパーグローバル事業にとって、2015年は手応えのある年になったようだ。慶大が昨年9月に「スーパーグローバル大学創成支援」事業のタイプA(トップ型)に採択されて1年が経った。この1年間で成果はあったのか、そして見えてきた課題、展望は何なのか。事業の構想責任者で、慶應義塾常任理事の國領二郎教授に話を聞いた。

本事業は、文部科学省が大学の国際競争力を高めるために財政支援する10年間のプロジェクトだ。慶大は「実学(サイエンス)によって地球社会の持続可能性を高める」ことを目標に、長寿・安全・創造という3つのクラスターを掲げている。

スーパーグローバル大学に採択されてからのこの1年間は、様々な計画を立ち上げ、実行してきた。「今は量に加え、質向上の取組みの時期に差し掛かっている」と國領教授は述べる。

計画の中で今年最も成果の得られたものとして、國領教授は外国人教員の増強を挙げた。当初予定していたよりも多い64人の外国人教員は、大学院で博士論文などの指導にあたっている。しかし外国人教員は海外にいながら慶大でも教える副指導教授が多く、慶大に就職する外国人教員はまだ増えていないことが課題であるという。

また、海外協定校は新たに30加わり、291となった。交換留学の機会が増え、日本から海外へ行く学生はもちろん、慶大に来る外国人学生もさらに増えることが見込まれる。慶大と協定校からそれぞれ学位を得られるダブルディグリー・プログラムもより一層整備を進め、プログラム数は、国内最多だった23件からさらに28件に拡大した。

来年度からは日吉の国際化を目指して新たなコース、GIC(Global Interdisciplinary Course)が始動する。全学部共通の外国語プログラムで、すべて英語で授業を行う。来年度は春・秋学期合わせて約80もの授業が新設される予定だ。国籍や学部にとらわれず、学際的に同じ教室で学びを共にできる。長期的には三田の専門的な英語プログラムと連結させることで、英語による授業だけで卒業することも考えられるという。「敷居が高いと思わず、日本にいながら外国にいるような環境を存分に活用してほしい」と國領教授は話した。

スーパーグローバル大学としての10年はまだ始まったばかりだが、この1年で舞台は整った。今後は、個々の計画を関連づけ、3つのクラスターとGICに集約し質を高めていくという。「少し調べると情報はたくさん出てくる。世界各地のトップ校との交換留学制度やGICなどを積極的に活用してほしい」
(小原里)