2022年11月、AIブームの火付け役・ChatGPTがOpenAIからリリースされた。あれから約3年、対話型AIは我々にとってすっかり身近な存在となった。しかし一方で、AIによる課題・レポート補助については厳しい視線も。現在の慶大生はどのようにAIと向き合っているのだろうか。慶大生50人にAI使用に関するアンケート調査を行った。
調査対象者のほとんどがAI使用経験あり 半数近くが毎日使用
調査の結果、なんと50人中49人が対話型AIの利用経験があると回答。AIの浸透具合が見て取れる。また、使用頻度に関する質問では、半数近くが「毎日利用する」と答えた。(図1参照)週3~4回の利用が約4割、週1回の利用が約1割と、9割以上の人がAIを週に一回以上使うという結果に。また、「数か月に一度」「使用したことはあるが、普段はほとんど使わない」といった回答項目も用意したが、回答数は0。AI利用経験のある慶大生にとって、AIは毎日の生活に欠かせないものとなっているようだ。

ChatGPTの利用者多数 「初めて利用」が影響大?
次いで「どの対話型AIを使用したことがありますか?(複数回答可能)」「どの対話型AIを一番頻繁に利用しますか?」という質問。結果は図2(横軸=回答数)・3の通りだ。使用経験のあるもの、一番頻繫に利用するもの共にChatGPTがトップに。
また、一番頻繁に利用する対話型AIに関して「なぜそのAIを頻繁に利用するのでしょうか?(複数回答)」という質問も設置。(図4参照、横軸=回答数)結果、半数以上の人が「初めて利用した対話型AIだから」と回答した。ChatGPTの発表以降も様々な対話型AI が登場したが、対話型AIの中でも早期にリリースされたChatGPTをそのまま使い続けている人が多いようだ。

広がるAIの活用方法
対話型AIの使用用途を問う質問(複数回答可能)の回答は以下の通りだ。(図5参照、横軸=回答数)「文章の校正」「アイデア出し」「大学の課題やエントリーシート作成の補助」「文章の翻訳」「文章の要約」など、学びにまつわる項目は、いずれも半数以上の人に選ばれた。また「雑談・相談」も半数近くが回答。学問・日常生活問わず、広い用途でAIは使われているのが分かった。

誤情報に注意 ファクトチェックを欠かさずに
AIは便利な反面、情報の正確さにはまだ問題がある。真偽の不確かな情報を提示してきたり、情報源が分からなかったりと、使い方には十分注意が必要だ。本アンケートでは約75%、およそ4人に3人が対話型AIへの質問後ファクトチェックを行っていると回答した。AIの回答を鵜呑みにせず、回答を再度調べ直したり、情報のソースを確認したりするのが重要だ。
AIにも「お礼」や「敬語」
最後に、「対話型AIに対して『ありがとう』や『助かる』などのお礼の言葉を言うことはありますか?」という質問を行ったところ、なんと約6割が「はい」と回答した。感情を持たないAIに対しても感謝の気持ちを伝える人が多数いるというのは、一見すると不思議な事実である。ちなみに、AIに対する挨拶は莫大なエネルギーを使用している、とまことしやかにささやかれている。2025年4月、OpenAIのCEOであるサム・アルトマンのX上での発言が話題となった。「人々がChatGPTに『お願いします』や『ありがとう』と言うことで、OpenAIはどれほど電気代を損しているのだろう?」というポストに対し、アルトマンは「数十万ドルが有意義に使われた——(実際のところは)分からないが」と返信。アルトマンの皮肉めいた口ぶりから、正確に測った数値でないことは明らかだ。しかし、AIが莫大な電力を要するのもまた事実である。IEA(国際エネルギー機関)は2024年1月、「AI等の影響により、2026年にはデータセンターは世界全体で約1000TW/h――つまり、日本の電力総消費量と同等の電力を消費するようになる」との予測を発表した。便利さの裏側にエネルギーの問題が潜んでいることを忘れてはいけない。
(安田理子)




