土居愛実さんは、昨年11月に開催された「レーザーラジアル級女子世界選手権」で、日本人過去最高順位の8位となり、リオ五輪出場を決めた。

2‌0‌1‌2年のロンドン五輪にも出場した彼女は、そこで果たせなかったメダル獲得を今回は目指している。「やれることを一つ一つ詰めて、全力で頑張りたい」

現在はトレーニングと食事管理を徹底している。トレーニングでは筋トレが必須で、船を押す際に特に必要となる胸筋を重点的に鍛えている。

食事管理は、栄養士の指導のもと行っている。「体重があれば、苦手な強風も上手くかわせるようになる」と土居さんは言う。彼女は他の外国人選手に比べると小柄なため、増量に励んでいるが、筋肉が増えるごとに代謝も良くなる上、運動量も多いので、なかなか増量は難しい。

メンタルの面はあまり心配していないそうだ。「ルーティーンの確立ができていれば、本番でも崩れることはない。緊張はするが、自分の対処法は持っている」と芯の強さを見せた。

五輪への準備の傍ら、学業にも手を抜かない土居選手。基本的に海外合宿でレースの経験を積むため、日本での滞在期間は短く、大学にはあまり行けていないが、トレーニングの合間を縫って研究を進めている。土居さんの研究テーマは、「競技艇の再利用と環境問題」で、五輪直前のこの時期も、卒業プロジェクトに日々取り組む努力家だ。

最後に土居さんは、「自分が活躍し結果を出すことで、今後、日本のセーリング界全体が発展していくといい」と熱く語った。
(玉田萌)
【特集】五輪に向け走り出す塾生たち