「1回限りの人生、やりたいことをやってみよう」

吉本興業所属のお笑いコンビ「ラフレクラン」の西村真二さん。今年度「NHK新人お笑い大賞」で優勝し勢いに乗っているコンビで、彼はツッコミを担当している。
学生時代はダンスサークルRevolve(リボルブ)に所属、代表を務めていた。2007年にはミスター慶應グランプリにも輝いている。学生時代の思い出や芸人になったきっかけについて話を聞いた。

リボルブでの活動

リボルブはブレイクダンスを中心に多くのジャンルを扱うダンスサークルで、約600人が所属している。大学に入るまでダンス経験が全くなかった西村さんだが、新歓期にリボルブのダンスステージを見て、脳と心臓を打ち抜かれるぐらいの衝撃を受けたという。次の日には、新入生で一番早く練習に参加し始めたそうだ。

三田祭での思い出

西村さんは三田祭で、リボルブとしてダンスステージを披露、ステージMCを担当した。それに加え、2007年のミスター慶應グランプリに選出された経験がある。

実は、コンテストには自分から立候補したというわけではない。リボルブのメンバーに勝手に申し込まれ、知らぬ間に最終候補に残っていたという。西村さん自身、ファイナリストに選出されるまでミスター慶應の存在自体を知らなかったそうだ。

お笑い芸人として

小学生のとき、テレビの中で活躍する人、ないし芸人を志そうと決めたという西村さん。その経歴は、誰にも真似できないほどの異色のものだ。

慶大を卒業後そのままお笑い芸人になったわけではなく、広島ホームテレビにアナウンサーとして入社、約4年間活動した。大卒でお笑い芸人を目指すつもりであったが、社会経験を積むべきという母の助言を受け、アナウンサーの道を選んだという。

しかし、東日本大震災をきっかけに、「人生いつ何がおこるかわからない、1回限りの人生、やりたいことをやってみよう」と考えるようになる。昔からの夢であったお笑い芸人を再び志し、会社を辞めて上京した。その決断はとてつもなく怖いものであったが、それ以上に好奇心が強かったと、当時の心境を話す。

塾生に向けて

自身の学生時代を振り返り、「学生は何でもできる可能性を持っていると、大人になってみて感じます」と語った。「4年間で自分はこれだけのことをやったと胸を張れるくらい、何かに打ち込むことが大切」

人生最後のモラトリアムといわれることの多い大学生活。目の前のことにひたすら没頭し続け、胸を張れる大学生活を送ってほしいとエールを送った。

(白川雄基)