お正月の注目行事の一つである箱根駅伝。各チームから学生10人が出場し、大手町から芦ノ湖間を駆け抜け2日間で往復する。各校のたすきが力強く繋げられる様子を観ていると、塾生が走る姿もいつか目にしてみたいと思うこともあるだろう。慶大競走部が箱根駅伝で活躍した記録はあるのだろうか。慶大と箱根駅伝の歴史を辿りたい。

東京箱根間往復大学駅伝競走は、世界に通用する日本人の長距離走者を誕生させようと創成された。その歴史は古く、第1回大会が開催されたのは1‌9‌2‌0年。当時出場したのは東京高等師範学校、明大、早大、そして慶大の4校だった。その後出場校は10校ほどに増え、1‌9‌3‌2年の第13回大会で、慶大は悲願の初優勝を果たした。慶大は10区の芝・増上寺の山門前にて日大を抜き、首位の座を勝ち取った。

日中戦争に次ぎ第二次大戦が激化し、開催中止になる年もあった。1‌9‌4‌3年、コースを靖国神社~箱根神社間に設定し第22回大会開催。この戦中駅伝で、慶大は10区三田通り慶大東門前にて法大を追い越し準優勝を果たす。

しかし慶大と早大が第二次大戦前後に「駅伝有害論」を提唱。長距離走強化を図る上で、硬い道路を走る駅伝は選手に害を及ぼすとして、早慶両校に加え複数の大学が箱根駅伝の出場をとりやめたのだ。戦後再開された1‌9‌4‌7年の第23回大会は慶大含め各校が参加したものの、この主張を掲げた慶大は、1‌9‌5‌1年以降は8年間出場しなかった。

1‌9‌5‌9年以降は9度出場した慶大は、これまでに30回の出場記録と1回の優勝経験を持つ。スポーツ推薦入学枠を活用し、留学生選手を登用する大学の増加やテレビの生中継による影響などから、箱根駅伝のレベルと注目度は確実に上がってきている。そうしたなかで数十年ぶりの出場を目指す道のりは容易ではなさそうだが、塾生、塾員が箱根駅伝に出場する慶大を再び応援できるとしたら、睦月の寒さも吹き飛ばせるほどの熱気に包まれよう。
(三谷美央)

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