11月23日12:00から三田キャンパス西校舎528教室で経済新人会(以下経新)主催の三田論発表会が行われる。経新の各5研究部から選ばれた代表が、プレゼンを行い審査員によって審査され順位を競う。12:00~18:00までの開催で入退出は自由。入場料、事前申し込みは不要。

三田論の作成を行うのは主に1年生。自ら論文の課題を設定し、情報をインプットして論文を作成する。論文を執筆した経験が少ない1年生だが、研究への熱意がモチベーションになっている。三田論発表会担当の平山果澄さん(経済2)は「大学生になったからには自分で研究してやってみたいという意識を持って研究熱心な方が参加している印象があります」と話す。

三田論の準備は9月ごろから始まる。春に一度論文を執筆し、大まかな書き方を学び1年の集大成として三田論へと臨む。

論文とプレゼンは、慶大教授3名、経新OB、OGなどを含めた計13人によって審査される。審査基準となるのは、プレゼンの発表態度やスライドの出来に加え、設定した課題に対する論理性、その課題が解決の必要があるかの妥当性、独自の視点を持って議論、考察されているかが審査される。

2022年度金融研究部代表として三田論へ参加した鈴木翔大さん(商2)は、質疑応答が重要な評価対象だと話す。「もちろん論文も大切ですが、より自身のテーマへの本質的な理解がなされているかを評価されるのではないでしょうか」

 

昨年の三田論発表会の様子

昨年三田論を経験した2年生は、1年生のサポートという形で三田論に関わる。主な役割は1年生へのフィードバック、そして論文としての形式を整えることだ。

 

経新では三田論発表会を「慶應の知の頂点」と銘打つ。その分、代表に選ばれるような論文には高度なレベルであることが求められる。データ分析など統計的に裏打ちされた論理から結論を導く必要がある。そのために統計検定を自ら取得する人もいるという。大学の講義などの枠にとらわれず自らの考え進んで学習する姿勢が三田論に結集されている。

最後に三田論の醍醐味について鈴木さんは、「プレゼン聞いてるときに気持ちが盛り上がるのは政策提言の導入から現状分析問題を経て政策提言への持っていき方ですね。どれだけさせて期待させて結論へ落とし込めるか。あと政策提言でユニークさと妥当性、論理性のバランスが取れているかというポイントですね。」と語った。

 

今年度の各研究会テーマは以下の通り

・財政研究会『タクシー不足に対するライドシェアの導入の考察』横山陽藝

・マーケティング研究会『教育制度の現状と改善案』大住俊太郎、黒田咲希、佐々木廉人、戸田昴成、松屋梨理加、村上彩乃

・金融研究会『SNS戦略で拓かれる福島復興への路—処理水•移住者数問題の揚棄的解決方法に向けて—』赤塚大悟、今泉開、川田大椰、楠橋拓海

・時事経済研究会『日本型格差に対する打開策』小赤澤維吹、羽金譲

・貿易研究会『小学校教員の労働環境改善のために』海老原武、佐橋徹勇、村上怜

 

鈴木廉