〜麻雀のすゝめ〜 慶應卒Mリーガー白鳥翔に聞く 

麻雀人口が500万人を超える現在。ABEMAで放送中のMリーグもその人気の一角を担っている。慶大卒の麻雀プロの中でも最前線で活躍している、日本プロ麻雀連盟・渋谷ABEMAS所属、白鳥翔選手に話を聞いた。

中等部、志木高を経て商学部に進学した白鳥選手は、大学1年次にプロ試験に合格した。高校時代に本格的に麻雀を打ち始めたが、戦略本の打ち筋が自分のものと大差ないと感じ、麻雀プロを志したという。

青春時代の多くを麻雀に捧げた白鳥選手は、「上級者の人にも初級者が勝てる可能性があること」が麻雀の最大の魅力だと語る。麻雀は、将棋などのゲームとは異なり、運も絡んだ「不完全情報ゲーム」である。そのような側面があるからこそ「ドラマが生まれる」と白鳥選手は強調した。一打一打、全てを分析できる訳ではないため、その選択についてはトッププロの間でも大きく意見が分かれることがある。白鳥選手は自身のどんな一打にも「なにか(意図が)あるな」と思われるほど、実力ある選手になりたいと語る。多くの人に信頼され、その選択をリスペクトされる存在になることが目標だという。

「本当に麻雀しかしてこなかった」という白鳥選手。音楽家にとっての演奏、画家にとっての描画と同様に、麻雀は自分を表現できる場なのだという。それゆえ、一打一打の意味を意識しているそうだ。だからこそ白鳥選手が解説する際には、選手に寄り添い、その意図を汲み取ることに力を注いでいる。

プロになった当初は、「自分が強ければいい」という気持ちが強かったという白鳥選手。その中で「応援してくれる人のために頑張らないと」という気持ちに変化したのは、Mリーグを通じて応援してくれる人の声が聞こえてくるようになってからだという。

Mリーグは、異なるスポンサーを持つ8チームが争うナショナルプロリーグで、選手たちはドラフト制で指名されたトッププロばかりだ。今年で4年目となるMリーグは、着実に注目度を増している。初年度の開幕戦視聴数が55万視聴だったのに対し、今年度はその3倍にも迫る150万視聴を突破した。

普段の対局よりも多くの人の目に留まるMリーグ。チーム戦であることも相まって、「かかるプレッシャーは半端じゃない」と語る。そのような大舞台に立つMリーガーとして、白鳥選手には意識していることがいくつかあるのだという。

その中でも白鳥選手が特に意識しているのが、麻雀を知らない新規の人を取り込むことだ。Mリーグにはいわゆるイケメン選手が何人も参加している。そうした容姿の優れた選手と差をつけ、麻雀ファン以外の視聴者層にも興味を持ってもらうために、自身の好きな美容やメイクといった異なる路線に力を入れる戦略をとっているのだ。応援しているサポーターを喜ばせるため、コロナ禍以前はパブリックビューイングやファンミーティングを積極的に開催していた。Mリーグは設立して新しく、まだ安定した基盤が出来ていない。白鳥選手の所属する渋谷ABEMAS ではグッズを選手から提案することもある。自由度の高いチームであるがゆえに、「全部自分たちでやるしかない」という強い思いで活動していると白鳥選手は語った。

また、ファン目線から見たMリーグの魅力の一つは、自分が応援している麻雀プロたちが同じチームで協力する様子だろう。とはいえ白鳥選手にとっては、この3年間、チームメイトが納得するプレイが求められるというプレッシャーが非常に大きかったという。

取材の最後に、塾生へ向けたメッセージを聞いた。「麻雀と一緒で、人生は何が起こるか分からない。形にはまらず、自分の好きなことを一生懸命やった方が人生を楽しめるのではないか。本当にやりたいことを諦めて就職するより、焦らずそちらに一生懸命になった方が後悔しないと思う」と語った。

Mリーグは、毎週月・火・木・金曜日、午後7時からABEMAで放送中だ。今回聞いた情報を頭に入れて放送を見ることで、新たな発見もあるかもしれない。

(乙幡丈翔・山下和奏