《早慶戦特集2019秋》 応援歌の定番「シリウス」、10分で完成 作曲者は弁護士に

中谷寛也さん=東京都新宿区

「早稲田を倒せ、慶應」のフレーズでおなじみの応援歌「シリウス」。「チャンスパターン」として、攻撃時の好機に演奏されることが多い。現在は都内で弁護士業を営む中谷寛也さん(41)が、慶大在学中の2000年に制作した。

4歳からピアノを始め、7歳頃には簡単な作曲ができるようになった。才能が一気に開花したのは大学1年の冬。所属していた應援指導部の先輩に勧められ、部内コンクールで自作の曲を披露したのが契機となった。

その曲にアレンジを加え、完成したのが「アラビアンコネクション」。曲名通りエキゾチックな響きが観客に受け、今や慶大の応援メドレーに欠かせない曲となった。

その2年後に手がけた「シリウス」は、人気格闘ゲーム「ストリートファイターII」のBGMをピアノで弾いていた時に、たまたま思いついた。作曲にかかった時間はわずか10分。全天で最も明るいとされる星から名前を取った「シリウス」の曲題には「白星」の願いを込めた。前年に卒業した先輩が完成曲を聴き、「あと1年遅く生まれていればよかった」と言ってくれたのが嬉しかった。

大学卒業の翌年には、司法試験に合格。弁護士になった後も、本業の傍ら、音楽活動を継続してきた。08年には慶應義塾高校にオリジナル曲「烈火」を提供し、同校野球部にとって46年ぶりとなる夏の甲子園大会出場を後押しした。

「弁護士・ソングライター」の二足のわらじを履きながら、慶大野球部の戦績は欠かさずチェックしている。

「注目しているのは柳町(達)選手。あんなに軽々ボールを飛ばせるのは、やっぱり天性の打撃センスを持っているからですよ」

野球の話になると口調が熱を帯びるのは、「自分ができないからこそ、できる人のことを尊敬するから」。応援の神髄だ。

(広瀬航太郎)

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