1月2日、3日にかけて行われた第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)において慶大競走部から根岸祐太選手(経3)が出走した。

慶大競走部は昨年10月14日に行われた上位10校までが本戦に出場できる今大会の予選会で、27位と力及ばず、1‌9‌9‌4年第70回大会以来となる団体での出場は叶わなかった。しかし、根岸選手は1時間0分58秒という記録を予選会で出したことから第89回大会の門出選手以来初となる関東学生連合チームに選出され、個人としての出場のチャンスを獲得した。

その後、根岸選手は平塚中継所~戸塚中継所を走る8区の出走が決定した。慶大生の箱根駅伝出走は2‌0‌0‌6年の第82回大会で鶴見中継所~大手町間(23.1キロ)の10区を走った亀田健一選手以来初となった。

根岸選手の走る復路8区は中継所のある平塚から浜須賀まで海岸線付近およそ10キロを走った後、藤沢市街そして15キロ付近で遊行寺の上り坂を駆け抜け、影取を通過しゴールの戸塚中継所を目指すという全21.4キロ区間になっている。

1月2日に行われた往路を21位(オープン参加)で終えた関東学生連合チームは、3日復路でも順位を上げることができなかった。

関東学生連合チームは首位青学大が8区のスタート地点の平塚中継所を通過してから20分以内に中継所にたどり着けなかった。これにより、関東学生連合チームの根岸選手は上武大とともに平塚中継所から繰り上げスタートとなり、襷(たすき)を渡されることなく出走した。

根岸選手は平塚で同時にスタートした上武大と並走していき、6.7キロ地点の茅ケ崎を21分08秒で通過しその後走行順で上武大から一歩リードした。15.6キロ地点遊行寺坂を50分04秒で通過した根岸選手は走行順で後ろを走る上武大に38秒差をつけたものの、走行順で先を走る国士館大との差を広げられてしまった。

18.4キロ地点の影取において後ろを行く上武大との差をさらに1分12秒に広げていった。

その後8区戸塚中継所に走行順20番目(総合順位21番目)で根岸選手はゴールした。記録は1時間9分38秒で個人としては全体第20位であった。

首位青学大が戸塚中継所を通過してから20分以上が経っていたことから、根岸選手は関東学生連合チームの襷をつなぐことができなかったものの、健闘した。

慶大競走部は昨年創部1‌0‌0周年を迎え「箱根駅伝プロジェクト」を始動させている。このプロジェクトでは「ランニングデザイン・ラボ」との提携や、新たに保科氏をコーチとして招聘(へい)、一貫校への競技指導、選手勧誘などを行っていくものである。

慶大は第1回大会から30回の出場、そして1回の優勝を誇る古豪であるが近年は団体としての出場からは遠ざかっている。今回の根岸選手の経験、そしてプロジェクトから慶大が再び箱根路に立つことを期待する。
(金森悠馬)

【箱根駅伝・過去の記事】
【WEB速報】慶大競走部・根岸祐太選手 箱根駅伝8区出走が確実に(2018.01.03)
慶大・根岸選手 箱根駅伝8区出走へ 関東学生連合チーム(2018.01.02)

【WEB速報】慶大生 箱根駅伝関東学生連合チームに選出される(2017.10.17)

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【記者の眼】慶大と箱根駅伝(2016.11.09)