
連載「こころの相談室」。今回のテーマは「対人関係に悩んだら」だ。新学期が始まって二ヶ月。ゼミやサークルなど、新たなコミュニティでの対人関係に悩まされる人も多いのではないだろうか。そうした悩みに、私たちはどのように対処すればよいのだろう。学生相談室カウンセラーの大岡さんに話を聞いた。
苦手な人がいると感じたら
「苦手な人がいる」と感じることは誰しもあるだろう。しかし、苦手だとしても付き合い続けなければいけないケースもしばしばだ。我々は「苦手な人」とどのように向き合っていくべきなのか。 大岡さんは「実際にその人の何が嫌なのか考えてみるといい」と話す。ただ漠然と苦手意識を持つのではなく、その人のどこが自分にとって苦手なのかを具体的に考えるのだ。苦手な部分の分析をすることで 自分がどのような事柄を「苦手だ」と感じるのか見えてくる。するとその人の全てを避けることはできなくとも、苦手な特徴が強く現れる場面は避ける、といった対処ができるようになる。「苦手だ」という感情の発生をコントロールできるようになると、その人との関係性への不安もやわらぐ。また、自分がどのような人に苦手意識を感じやすいかを知ると次に同じ状況になった時の対策にも役立つはずであるし、何よりその件が自己理解を深める契機になると言える。
コミュニティの雰囲気が合わない?
ゼミやサークルの雰囲気が合わない、というのは珍しい話ではない。興味分野を学んだり趣味を楽しんだりするための場。やりたいことはそこにあるはずなのに、どうしてもその空間に馴染めない 。こうした場合、どう対処すればよいのだろうか。まず検討すべきは、「自分がコミュニティに対してどのようなスタンスをとるか」ということだ。例えば、ゼミでの学習自体には興味があるが、ゼミメンバーの特有の雰囲気についていけないとき。この場合、「ゼミには出席するが、プライベートでゼミのメンバーに会う頻度を減らす」といった対処法がある。コミュニティに対するスタンスを自分の中で決めることが、コミュニティと上手く付き合ううえでの第一歩となりうる。コミュニティの外に目を向けてみるのも有効だ。サークルを例に挙げると、自分がやりたい興味分野に合わせてサークルに所属している、という人が大半であろう。しかし、それは本当にそのサークルでしか出来ないことなのだろうか?似た内容の他のサークルのほうが馴染みやすいのではないか?もし今のコミュニティに不安があるのならば、他のコミュニティを探してみるのもおすすめだ。
いつでも学生相談室へ
もし対人関係で困ったら、学生相談室の存在を思い出してほしい。「学生相談室は『おおごと』でないと行ってはいけないと感じる人もいるが、そんなことはない」と大岡さんは語る。 人と比べたら些細な悩みだから…というのは関係ない。「自分にとっての悩みだったらそれは立派に相談すべき悩み」
対人関係に関する悩みは、一人で対処しようとするとぐるぐると考え続けてしまう。そうした場合には、ぜひ学生相談室で専門家の意見を聞いてみてほしい。悩みを相談することで、自分が何に苦しんでいるのかを客観的に掴みやすくなる。
学生相談室は電話やwebでの相談も受け付けている。学生相談室も活用しつつ、うまく人間関係に向き合っていってほしい。
(安田理子)