東急電鉄は本年8月1日、羽田エアポートライン株式会社とともに、東急多摩川線の蒲田駅から京急蒲田駅付近(申請上の仮称は蒲田新駅)に至る連絡線および連絡施設を新設する計画を関東運輸局に申請した。この新空港線 (通称:蒲蒲線)は、東急電鉄にとって2023年に開業した東急新横浜線に次ぐ新線となる予定だ。
新空港線事業は、2016年の交通政策審議会による答申において「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」の一つに位置付けられた事業である。これは東急多摩川線蒲田駅から京急蒲田駅を経由し羽田空港に向かう京急空港線に接続する計画だ。今回申請した第一期整備では、現在徒歩移動となっている東急蒲田駅から京急蒲田駅間の約800mを繋ぐ連絡線の新設を行う計画。これにより、羽田空港へのアクセスを向上させ、加えて大田区内の移動を便利にし、地域のまちづくりの活性化にも大きく寄与する狙いだ。さらに、多摩川駅で接続している東横線から新空港線への直通運転も行われる予定となっている。
計画認定後は、事業が本格的に動き出す。具体的な建設計画としては、東急多摩川線矢口渡駅と蒲田駅の間から地下に入り、蒲田駅を地下化、そして蒲田新駅(仮称)を新設する。東横線との直通運転を行うため、東急多摩川線多摩川駅および下丸子駅の乗降場(プラットホーム)の整備などもあわせて行うとしている。
開通後は、東横線沿線から羽田空港へのアクセスが向上する。例えば自由が丘駅から京急蒲田駅まで現在約37分を要するところを、第一期整備後は蒲田新駅(仮称)まで約15分で到着する計算となり、その効果は計り知れない。
「選ばれ、親しまれる沿線」を目指し、精力的に鉄道ネットワークの価値最大化に取り組む東急電鉄。次月号では日吉駅リニューアル工事や東横線・東急新横浜線・目黒線の車両リニューアルについて、取材を行う。
(山田裕介)