喊声 9月号

3月11日、これまで生きてきた中で一番、死を身近に感じた。日本が一変した、あの震災から半年が経つ。日本中が復興を目指してもがき続け、半年という月日はめまぐるしく過ぎていったように思う▼自然の脅威、社会の脆さを目の当たりにし、誰もが生と死というものについて考えたことだろう。当たり前のものだと思っていた生は、実はそうではなかったということを、改めて突き付けられた▼太平洋戦争での南方戦線を舞台にした劇団四季のミュージカル『南十字星』の中に、こんな台詞がある。「明日は君たちの物だ」。主人公の大学生が、日本敗戦後に戦犯として処刑される前に、明日の日本の若者たちへ向けて語る言葉だ。この言葉を思い出すたびに、はっと目が覚める▼ただ何となく過ごす日々を、過ごしたくても過ごせなかった人もいる。あの日、死を身近に感じたからこそ、いま生きていることに感謝し、背筋を伸ばさねばならない。生と死について考えさせられた震災の教えを胸に、自ら考え、自ら行動することが、復興を目指す日本の未来の礎となるはずだ。明日は、我々若者が切り開かねばならないのだから。

(橋爪奈津実)