今回は、入学前に機会を逃した塾生、最近経済状況に大きな変化が訪れた塾生のために、在学中に新規で申し込むことができる奨学金に関する基本情報をまとめる。今回紹介する情報を参考にし、日々の生活の質の向上に役立ててほしい。
奨学金とは何なのか 受給者のボーダーラインは?
そもそも奨学金とは、学生の学費や生活費を助成する制度である。中でも返済不要な給付型と返済が必要な貸与型とで2種類ある。用意する組織には大学、国、地方公共団体や民間財団など多岐にわたる。
用意する組織によって選定基準、申請時期等の要項が異なるので注意が必要だ。国に申請する奨学金に関しては募集要項がインターネット上で誰にでも公開されているが、これから紹介する慶大に在学する学生が申請することができる学内奨学金や、民間団体や地方公共団体が用意する奨学金の詳細な募集要項についてはkeio.jpの認証が必要になるため、ここで詳しく説明することはできない。あえて包括的な特徴を挙げるとしたら、学業成績については明確なボーダーラインが定められていることもあるが、経済状況に関しては国に申請する奨学金と比べると具体的な収入のボーダーラインが定められていないことが多いように感じる。自分の経済状況については客観視することが難しいため、生活において不自由を抱え申請したい意志があるのならば一度申請をしてみるのもひとつの手段なのかもしれない。
募集元で異なる 奨学金の特徴
慶大独自で用意する奨学金のうち、在学中に申請可能なものとしては、「慶應義塾大学給費奨学金」、「慶應義塾維持会奨学金」、「指定寄付奨学金」、「慶應義塾大学就学支援奨学金」、「慶應義塾大学東日本大震災被災学生復興支援奨学金」の5種類に加え、留学のための奨学金も存在する。
家計の急変や学習環境など、各人のニーズに合わせて申請する奨学金を選ぶことができるということだ。これらはすべて給付型で、申し込みは主に春と秋に行われる。受給期間は1年で再申請もできる。つまり、2年次以降からでも新規で申し込むことができるし、継続して申し込むこともできるということだ。
「慶應義塾大学給費奨学金」に関しては、2年次からのみ申し込み可能なため、入学当初奨学金の準備ができなかった塾生でも、準備を整えてから申請しやすい。一方で民間団体、地方公共団体が用意する奨学金は、慶大が独自で用意する奨学金と違い給付型と貸与型が存在し、それらの多くは一度採用されると卒業時まで継続的に給付または貸与される。
募集要項については、年収制限や学業成績だけでなく、出身地域、卒業後の進路、専攻分野など募集元によって細かい指定があることも多いため、自分に合った募集を見つけることが必要になってくる。
K-Supportから探せる 自分に合った奨学金
上記の通り様々な種類がある奨学金だが、慶大において受付前、受け付け中の奨学金を年度、募集元で絞って検索することができるシステムがあることはご存知だろうか。
K-Supportの検索欄(スマートフォン版はログイン後右上の3本線を押すと表示され、デスクトップ版はログイン後画面上部に表示される)から「奨学金」とキーワード検索をかけると、「奨学金の後部情報を知りたい」という記事が出てくる。これをタップすると、慶大生が申し込める奨学金公募情報をキャンパスごとに確認することができる。「大学で申請受付、「直接財団等に応募」のどちらかを選択すると、今から申し込み可能な奨学金が表示される。さらに学部、学年、募集年度などで絞った詳細検索も可能だ。具体的にどんな団体がどのくらいの金額で募集しているのか、詳しい募集要項を知ることができる。自分が条件に当てはまるかどうかだけでも見ておくと今後役に立つかもしれない。
国の奨学金の対象になるか? 1分でできる進学資金シミュレーター
最後に国が用意する奨学金についてまとめる。学生に対する奨学金事業を行う日本学生支援機構では、進学前に申し込む予約採用の他に、在学中に新たに申し込む在学採用も存在する。スカラネットというオンライン手続きシステムへの登録をし、必要書類を提出して選考結果を待つという手順だ。
これらを申し込む前に、自分が国からの奨学金を受けることができるかを大まかに調べることができるツールがある。それが「進学資金シミュレーター」だ。インターネットで検索するとすぐに日本学生支援機構が作成したこのツールにアクセスできる。シミュレーションしたい項目を選び、生年月日や世帯状況、年間所得などを入力するだけで、自分がどのタイプの奨学金を給付または貸与することができるかを知ることができるのである。情報収集の前に、まずは自分自身の状況を理解し、スムーズな奨学金申請につなげることができるのだ。
今まで奨学金には縁がないと思っていた学生でも、急な災害、事故などによって経済状況が急変することもある。簡単に奨学金について調べることができるこれらのツールを使って、自分の生活と向き合っていくべきだ。
参考サイト
・慶應宇義塾大学ホームページ
https://www.keio.ac.jp/ja/student-life/scholarships.html
・日本学生支援機構ホームページhttps://www.jasso.go.jp/shogakukin/moshikomi/zaigaku/tebiki/daigaku_etc.html
・進学資金シミュレーター
https://shogakukin-simulator.jasso.go.jp
(横山葵)