静岡県と慶應義塾大学の事業連携協定締結式が先月16日、アルカディア市ヶ谷で行われ、静岡県と慶大は、県の「富士山麓先端健康産業集積プロジェクト」(別名「ファルマバレープロジェクト」)の推進に関する協定を締結した。県はすでに早稲田大、東京工業大、東京農工大と連携しているが、医看薬工の4つの学部を備えている大学との連携は初めて。
ファルマバレープロジェクトとは、「世界一の健康長寿県の形成」を目的とし、医療からウェルネスまで世界レベルの研究を進め、県民の健康増進と健康産業の復興を図り、特色のある地域の発展を実現する事業である。
この連携では共同研究、産業復興、人材育成などを進めていく。具体的には、難治性腫瘍に対する新規治療法として分子標的創薬及びバイオマーカーの開発研究を行い、教育研究水準の更なる高度化と産業へのリンクを目指す。
慶大はこれまでも県立静岡がんセンターに大学院生を派遣しており元々交流を持っていた。この連携により県と慶大の研究や教育面での全般的な協力が期待される。
県への医科大学の誘致の方針を掲げている川勝平太静岡県知事は「これが呼び水となって、大学が来てくれれば」と語った。清家篤塾長は「足りない部分をお互いに補え合える」と連携に大きな期待感を示していた。