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《台風19号特集》命を守る計画運休 安全な鉄道運行を目指して

「計画運休」。台風19号で首都圏が混乱している中、ツイッターでトレンド入りをした言葉であるが、その実態を知っているだろうか。東急電鉄株式会社に取材し、謎の多い計画運休の実情に迫った。

計画運休とは

鉄道は、大雨によって運転士の視界が不良になり、強風によって車体が煽られるなど、安全運行に支障をきたす台風の影響を受ける。計画運休はそんな台風による様々な影響を最小限にするため、交通機関が事前に予告した上で運行を中止することを指す。今回の台風19号以外にも首都圏では過去に2回(2018年台風24号、2019年台風15号)実施された。

計画運休は一体何を基準に実施するのだろうか。東急電鉄は次のように説明する。「他社の動向も考慮し、気象情報により、全線にわたり運転中止基準(表参照)を超過する、もしくは、台風の超過ピークが一定時間継続することが見込まれる場合に計画運休を実施する」

東急電鉄運転中止基準(「教えて!東急線」参照)

 

今回、台風の首都圏上陸が10月13日と予想されていたため、東急電鉄をはじめ首都圏各鉄道会社は前日12日正午頃までに運転を終了した。一連の決定に関して、東急電鉄は、他の鉄道会社の動きも見ながら、できる限り早く実施を公表したという。

実際、東急電鉄は台風上陸2日前となる11日に実施の決定を発表した。首都圏で行われた過去2回の計画運休では情報提供に課題が残るとの指摘もあったため、東急電鉄は今回の台風でこまめにホームページや駅での案内、車内放送にて呼びかけを行った。その結果、混乱する利用者は減少したのだという。

災害時、利用者にできること

このとき重要なのは、利用者の情報収集である。東急電鉄は駅での案内、車内放送、東急線アプリのほか、報道機関向けへの配信などで情報提供を行っている。混乱を避けるためにも、いつ、どの路線が、どの区間で運休するのか利用者自身が積極的に知ろうとする姿勢が大事であろう。

台風が去ってもすぐに運転再開というわけにはいかない。運行前に試運転を実施し、線路や架線に問題がないか点検し、安全の確認を行う。その上で相互直通運転各社など他社と連携し運転再開を発表するのだという。

また、運転を再開しても平常通りのダイヤに戻すには時間を要する。今回、東急東横線は首都圏の鉄道に先駆けて翌日の13日午前6時半ごろに運転を再開したものの、大幅な遅れや他社路線への直通運転の中止、有料座席列車「Sトレイン」の運休などによりダイヤに乱れが生じた。

当然、計画運休終了後は駅構内の大変な混乱が予想される。首都圏で実施された過去2回の計画運休に関しても駅への入場規制により改札が人であふれているという報道が繰り返しされていたのは記憶に新しい。
しかし、今回の台風では迅速な情報提供もあって駅構内では大きな混乱は起きず、東横線は昼過ぎにはほぼ平常通りの運転を行うことができたという。

では最後に、私たち鉄道利用者が気を付けるべきことは何であろうか。東急電鉄は次のように語る。
「悪天候が予想される場合はなるべく、外出をお控えいただきたい。計画運休実施前については、実施時間が早くなる場合もあるので、早めにご利用いただき、運行再開後は多くのお客さまがご利用されるので、お時間に余裕を持ってご利用いただきたい」

 

災害発生時、交通機関の情報には常にアンテナを張っておきたいが、一朝一夕にできることではない。そういう意味でも、日頃から鉄道情報に目を配っておくことが大切なのかもしれない。

 

(水口侑)

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