東京六大学野球秋季リーグ戦は九月九日、神宮球場にて開幕した。4季ぶりの優勝を目指す慶大は初戦の相手、立大に下馬評通り連勝し好スタートを切った。第三週(二十三日~)からは、三連覇を狙う法大との直接対決が行われる。
 
 
 ▼第一戦 ○
 【慶大8―0立大】

 投打が噛み合い、慶大が立大に大勝した。慶大は二回に2点を先制すると、続く三回には主将・金森宏(環4)、佐藤翔(総3)の二者連続本塁打が飛び出し、立大を突き放す。七回にも佐藤翔がこの試合二本目の本塁打を放ち、試合を決定付けた。味方の援護を受けた先発のエース・加藤(環3)は、走者を背負いながらも粘りのピッチングで、無四球完封勝利を収めた。
 試合後、加藤は「打たせてとるピッチングを心がけた。今季はエースを意識せず、野球を楽しみながら投げたい」とコメント。四番起用の期待に見事に応えた佐藤翔は、「ホームランは、つなぐことを意識して気楽に打った結果。チャンスで打てる打者を目指し、課題である守備を頑張りたい」と話した。
 相場監督「チームがいい状態であったので自信はあった。加藤はいまひとつではあったが良く投げたと思う」
 
 
 ▼第二戦 ○
 【慶大5―3立大】

 失策絡みで2点を先制された慶大は、直後の四回表、岡崎(総4)と大伴(環3)のタイムリーで同点に追いつき、五回にも一死満塁から岡崎がレフト前にタイムリーを放ち逆転に成功した。六回から登板した守口(商3)はボークで1点を失ったものの、四回を投げて八奪三振と好投。打線も七回、九回に相手の失策に乗じ一点ずつを挙げて逃げ切った。
 立大に連勝し、勝ち点1を奪って二十三日から王者・法政戦を迎えるが、相場監督は「リーグ戦では楽な展開はないのでミスはできない。相手を意識しないで接戦に持ち込みたい」とコメント。金森宏主将は「春は相手を意識してしまい、大きく見過ぎていた。まだ(相手にとっては)チームが日本一になるための通過点に過ぎない。法政は強い相手だが、次も勝ち点を取れるように頑張りたい」と気を引き締めていた。