11月23日、三田祭2日目、第1校舎の122番教室で落語研究会による寄席が開催された。落語が始まる前の小噺で少しずつお客さんと会場の雰囲気が温まっていき、気付けば室内は満員になっていた。演者紹介が終わり、舞台が整ったところで会場が暗転すると、ついに待ちに待ったトリによる演目、「死神」が始まる。落語特有の独特な語りと身ぶり手振りは客の心を引きつけて離さない。初めて生で落語を観賞した筆者も緩急自在な語り口に終始圧倒された。「落ち」までの流れが見事で、ユーモアに満ちており、「死神」をご存じの方も、そうでない方も楽しめる演目になっている。落語の魅力が詰まっており、聞き手を飽きさせないので、時間があっという間に感じられた。

落語研究会は、落語の腕を磨くために日々練習を重ねている。矢上祭や各地の依頼先で講演も行っているが、サークルの活動を通して一番の見せ場はやはり三田祭であるという。122番教室では、落語だけでなく、大喜利などの多種多様な企画が行われている。全日興行し続けるそうなので、時間があったらぜひ足を運んでみたらどうだろうか。日本の伝統文化に気軽に触れることができるよい機会になること間違いなしである。

(貫洞晴輝・西岡優希)