2015年度慶大学部卒業者・修士修了者8056人のうち就職者は5571人、大学院および学部進学者は1282人であることが学生部就職・進路支援担当から発表された。データは全体の卒業修了生8056人のうち7721人から報告され、5571人が就職した。

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2015年度の就職率は72.2%であり、前年度の71.3%から0.9ポイント上昇した。一方で、大学院・学部への進学率は16.6%であり、こちらは前年度の16.9%と比較すると0.3ポイントの低下となった。前年度に引き続き、就職率が上昇し、大学院・学部への進学率が低下するという傾向がみられた。

昨年度慶大学部卒業・修士修了者(平成27年9月卒業生含む)の就職先上位20社。平成27年3月31日現在。原則として本人からの連絡届けに基づく。()内は女子で内数。
昨年度慶大学部卒業・修士修了者(平成27年9月卒業生含む)の就職先上位20社。平成27年3月31日現在。原則として本人からの連絡届けに基づく。()内は女子で内数。
就職者の業種別割合は前年度から大きく変動せず、金融・保険業が1位、2位に製造業、3位に情報通信業が続いた。金融・保険業が24.9%、製造業が20.8%、情報通信業が16.2%という結果になった。前年度と比較してみると、金融・保険業が1ポイント、情報通信業が0.1ポイント上昇したのに対し、製造業は0.7ポイント低下した。金融業は前年度も0.9ポイント上昇しており、増加傾向が続いている。

就職企業の上位20社(表参照)を見ると、1位がみずほフィナンシャルグループ、2位が三井住友銀行、3位が東京海上日動火災保険となり、三井住友銀行と東京海上日動火災保険は、前年度よりそれぞれ1つずつ順位を上げた。一方、前年度2位だった三菱東京UFJ銀行は4位に低下した。これは、採用人数を15%ほど絞ったためだと思われる。



学生部就職・進路支援担当の佐藤吾郎氏は2015年度の就職状況について「塾生の就職状況はおおむね良好で、ここ数年改善されている印象だ。企業の採用意欲も上昇しており、塾生には追い風が吹いている」と分析した。

企業が学生に求める能力とは一体どういうものか。佐藤氏は、コミュニケーション能力、バイタリティーや基礎学力、熱意を挙げた。「今挙げたものはいきなり習得できるものではない。1年生の頃から学業をおろそかにせず、サークルや課外活動を積極的に行うことで、そういったものは自然に身につく。学生には自分の頭で考える力を身に付けてほしい」と学生にアドバイスをしている。

就職・進路支援担当では、130回を超えるガイダンスの実施、模擬面接などの個別相談、ОB・ОG情報や先輩体験談などの情報提供を通して、塾生の就職活動を支援している。