盗難や火災を懸念

三田キャンパスにある学生団体ルーム使用団体の一部がルームの開錠に合鍵を使用していたことが7月にわかった。計10室13団体での使用が確認されている。鍵を含む設備の無断改廃、新設は慶應義塾が定める規程によって禁止されており、学生部は合鍵の提出を求めるとともに、全ての団体に対し、適正なルーム使用を勧告した。

学生団体ルームの鍵は学生部が管理し、学生はルームの使用ごとに鍵を借りて当日に返却する仕組みだ。だが、学生部職員がルーム棟を見回った際、鍵の貸出数と開錠している部室数が一致しなかった。詳しく確認したところ、10室13団体で合鍵の使用が確認された。

学生部はそれぞれの団体の代表に連絡を取り、状況の聞き取りをした。それらの団体に対しては7月末までの部室使用の自粛を求めた。また、7月23日にはルームを使用する全ての団体に文書を郵送し、合鍵を所持、使用している場合は申し出るよう通知した。

学生部は合鍵使用の問題点として、盗難や火災など、安全管理上の危険性を指摘する。合鍵が使用されることで大学はもちろん、学生団体の側も、誰が、いつルームに入室したか把握することは困難だ。また、合鍵がさらに複製され、塾外の者の手に渡る可能性もある。

今回の調査の結果、合鍵の多くが何年も前の代から受け継いで使われてきたものであったことがわかった。ある学生団体の代表を務める塾生に話を聞いたところ、「普段部室を使う機会が少なく、合鍵を禁じる規程があることを知らなかった」と話す。

学生部はこれら13団体に対して厳重注意を申し渡したが、今後、他の団体でも合鍵が見つかった場合には、活動停止などの処分を検討するという。

学生部学生生活支援の担当者は「学内の安全を考え、学生団体には対応を求めた。何かあったときのことを意識して行動してほしい」と話した。