【喊声】4月号

▼黒いスーツと煌びやかな袴を身にまとい、銀杏並木を下る。それぞれの帰り道、それぞれの思い。

3月23日、日吉で2009年度卒業式が行われた。賑わうキャンパスを前に、ふと2年前を思い出した

▼大学には様々な人がいる。違う時間と環境を生きた人々が集まる。初めは、思い描いた理想が見えず、

大学の意味を疑う人もいるだろう▼先月卒業を迎えた知人が、かつて放ったるある言葉を忘れることができない。

「自分にもっと期待する」。他人や環境のせいにしない。大学スポーツの第一線で活躍を続けた人の

言葉だった▼環境への不満。それは「個性」にすがる「できない理由」探しにすぎない。自分に合った

環境などない。今歩く道が一人の人間をつくり上げる▼大学が理想の場とは限らない。それでも何か

一つ、自信を持って得られたと言えるものがあれば、大学を過ごした意味がある。入学して

間もない頃、そう思うようになった▼4月、多くの新入生が銀杏並木を上る、あれから2年。東横線に

乗り、銀杏並木を歩けば思い出す。風の匂い、人の音。それは今も体の一部となって蘇る。

そして2年後、新たな思いを感じ、銀杏並木を下りたい。(有賀真吾)