
加藤大己 環境情報学部 4年生 前塾生議員(一期)
加藤大己氏は環境情報学部四年生で、2024年2月から同年3月まで塾生議員を務めた。塾生代表選挙への出馬は今回が初である。
愛知県出身の加藤氏は、小学3年生で東京に移り、早稲田中学校に進学。体育会航空部や藤沢消防団での活動を経て、現在は慶應義塾大学で学生自治活動に注力している。2024年12月の選挙で塾生議員に初当選し、議員活動を通じて組織改革への思いを強めたことから、塾生代表選挙への立候補を決意した。
議員時代には、「特定政策審議会」において議員主導で会議を招集できる新たな体制を構築。有識者を招いての議会外での議論の場も設けた。また、既存の徽章を「全塾協議会徽章規則」に基づいて正式に制度化。代表・議員には金色バッジ、執行役員には銀色バッジと役職ごとに区分する運用を導入し、議会の可視性と権威づけを図った。
さらに、議事録公開の迅速化にも取り組み、従来は公開までに2〜3ヶ月を要していたところ、Zoom録画を活用した遅滞なき情報発信体制を構築。録画の一部にはモザイク処理などが必要なため即日公開は難しいものの、できる限り迅速に公開する姿勢を貫いた。議会活動を通して尊敬する存在となった山田前代表の姿勢を継ぎつつ、組織のさらなる前進を志向している。
加藤氏の理想は、塾生同士が助け合い、高め合う「社中協力」の実現である。全国的にも珍しく学生自治組織が公的に認められている慶應において、「名前だけの自治」ではなく、「実際に機能する自治」を取り戻したいと語る。年間750円の自治費が十分に活用されていない現状に対し、強い危機感を抱いている。
現状、全塾協議会は認知度や信頼感の低下に直面しており、投票率の低迷も深刻である。多くの塾生にとって、全塾協議会の活動内容が不透明であり、「大学を自分たちで良くしていく」という自治の本質が見失われつつある。加藤氏はこの悪循環を断ち切るため、「塾生と全塾協議会の距離を縮め、活動をより身近に感じてもらうことが不可欠」だと強調する。
加藤氏の政策の柱は、「塾生と全塾協議会のつながりを取り戻す」ことである。
第一に、投資的視点からの新規事業への積極支援を打ち出す。新しい挑戦に対して柔軟に資金・人的・技術的リソースを提供することで、塾生の自主的な活動を後押ししたいという。例えば、コロナ禍で中断された信濃町での学園祭に対しても、支援金を増額し、実行をサポートしていく予定だ。こうした支援を通じて、所属団体の活動の幅を広げたいとしている。加藤氏は、予算配分だけでなく、人的・技術的リソースも含めて積極的に支援したいと述べた。
第二に、金銭的支援にとどまらない関与の強化を目指す。単に予算を配分するだけでは、所属団体側にとって全塾協議会の意義は希薄となる。加藤氏は、かつての「リーダーズキャンプ」(2泊3日)のような場を設け、所属団体が対面で議論を交わす場の創出を志向するものである。
加藤氏は、「塾生代表には、大学当局と責任を持って交渉し、実行する覚悟が求められる」と語る。サークルや団体に所属していない塾生に対しても、全塾協議会の意義や恩恵を明確に伝え、組織や制度の改革を通じて広く還元できる体制を整えたいという。
「共感してくれる方はぜひ協力してほしい。意見も積極的に寄せてもらいたい」と加藤氏は呼びかけ、塾生一人ひとりとの対話を大切にする姿勢を強調した。
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(徳永皓一郎)