4 thoughts on “岩切氏、第9代塾生代表に就任。塾生議員も3名が就任

  1.  今回の代表交代劇の最大の焦点は、内田光紀前塾生代表と岩切太志新塾生代表予定者(いずれも当時)の主張のいずれを議事進行の最終判断を握る中央機関が採用するか、その一点に尽きる。本来、議会運営の裁定権は議長または現職の塾生代表に帰属する。ところが議長任命前かつ塾生代表交代期に正統性が揺らいだため、事務部門である中央機関が事実上の決裁権を掌握するという異例の構図が生じた。最終的に中央機関は岩切氏の宣誓を有効と認定し、新体制への移行を選択した。

     では、なぜ中央機関は岩切氏支持へと急転したのか──その鍵は水面下で蠢く権力関係にある。関係者によれば、当初は内田体制続投で大筋合意しており、内田氏提出の議案も膨大で、定例会一回では到底処理しきれない量が準備されていた。すなわち、6月期の代表交代は想定外だったのである。

     情勢を一変させたのは、任期短縮を避けたい岩切氏が山田健太元塾生代表に支援を要請した瞬間だった。取引の詳細は不明ながら、山田氏はかつて自ら任命・育成した全塾協議会要職者に「岩切新執行部を全面支援せよ」と指示したという。依然大学当局にも強い影響力を持ち、退任後も塾生主催行事の開催を実現させてきた山田氏に対し、中央機関や関連団体の要職者が一種の依存を寄せている現状を踏まえれば、その指示の効力は推して知るべしである。

     岩切氏は塾内公認学生団体の運営経験もなく、全塾協議会内で動かせる勢力も極めて乏しい。関係者が口をそろえるのは、「岩切氏には自力で流れを変えるだけの求心力が欠けていた」という点である。岩切氏自身もその脆弱さを自覚していたからこそ、最後の手段として山田氏への支援要請にすがった――これが実情だろう。

     中央機関が方針を180度転換し、塾生議会冒頭での突如の宣誓を正当化した裏には、強力な介入があったことは疑いようがない。決定的な傍証は、内田氏の退任を祝う記念品が当日用意されていた点だ。もし岩切氏の行動が真に想定外であったなら、中央機関が議案処理を内田寄りに設計したまま、退任記念品まで手配していたとは考えにくい。交代劇が事前に周到に仕組まれていたことを示す証左である。

     要するに、本件は「規約に基づく宣誓」という外形を纏いながらも、実態としては山田氏の圧倒的な影響力と人的ネットワークがレバーを握り、頼りなげな岩切氏を“担ぎ上げる”ことで潮目を変えた権力劇に他ならない。内田氏の任期延長策は批判を免れないが、岩切氏率いる新執行部もまた、庇護なくしては一歩も進めぬ“羽化したての蝶”のような脆弱性を抱えている点を看過すべきではない。塾生および学内メディアは、この力学を直視したうえで新体制の政策遂行と統治倫理を厳正に監視し、是々非々で論評を加えていく責務を負うだろう。

    コメンテーター M

    1. 山田健太元代表が、なぜ岩切太志新代表に協力するのでしょうか。

      本記載では、正確な理由が不明であり、イタズラに不安を煽り、不当に評価を下げているため、塾生自治に永きに貢献された元代表に失礼かと思います。

      1. 山田健太元塾生代表の行動に対し、善性があるとも悪性があるとも論じてはいない。

        あくまでも事実として、山田氏の影響力が内田前塾生代表の組織統制力の遥かに上回ったことや、その影響力がなければ岩切現塾生代表は就任することもできなかったことを述べたまでである。

        その善悪は、塾生が判断すべき事項であり、その判断材料は山田氏が行動をとった理由が重大争点だ。理由が、「選挙結果の民意を反映すべし」なのか「利己的な取引に基づくもの」なのかは、関係者の声では明らかにならなかった。

        行動の理由については、列記とした塾内報道機関たる塾生新聞会編集局を始めとする塾内メディアの報道力に期待したい。

  2. 記念品は当日に購入することも十分に可能と考えられないのか……?
    異例の交代劇であったからこそ、内田氏へのせめてものねぎらいとして、その場にいたメンバーが決定後に急きょ準備した可能性もあるのに

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