春三連覇を目標に掲げた今シーズンであったが、慶大野球部は6勝5敗1分、勝ち点3の3位に終わった。

大事な開幕カードの法大戦、連勝で上位進出も見えた立大戦で勝ち点を落とした。特に、対戦時5位と低迷していた立大に連敗を喫し、あっさりと勝ち点を献上したことで一気に優勝から遠ざかった。落としてはいけない試合で踏ん張り切れなかったことが優勝を逃した原因だろう。

主将の山﨑錬(商4)が「一つ負けて立て直せずにずるずるいってしまったことが課題」と振り返ったように、カード初戦を落とすと、踏ん張り切れなかった。勝ち点を落とした法大戦、立大戦ではいずれも1勝もできていない。

エースの好投に打線が応えられなかった法大第1戦や、初回のリードを守れなかった同3戦、打線の逆転直後に失点を喫した立大第2戦など投打がかみ合わず落とした試合も目立った。

投手陣ではけがから復帰した福谷(理4)がリーグ5位の防御率2・08、左のエース竹内大(環4)が4勝など奮闘した。だが、二枚看板以外の竹林(商3)、山形(政3)、只野(商3)が結果を残せず、チーム防御率はリーグ4位の3・08と苦しんだ。

野手陣では捕手阿加多(法4)が打率・447で首位打者を獲得、山﨑錬がリーグ4位タイの10打点を挙げる活躍、遊撃手福富(商4)が攻守の活躍でベストナイン選出など主力は結果を残した。ただ、チーム打率はリーグ4位タイの・252と沈み、チーム総得点も優勝した早大の86に対し50に留まり、相手にプレッシャーを与えるまでには至らなかった。

だが明るい話題もある。昨夏甲子園で優勝の日大三高で活躍した横尾(総1)は打率こそ低かったものの、早慶戦第1戦で初本塁打を放つなどチーム2位の8打点。谷田(商1)も東大戦で初本塁打を記録し、早慶戦第3戦では試合を決定づけるタイムリーを放つ。藤本(環2)もシーズンを通して好調を維持し・296の好打率を残すなど下級生の頑張りが目立った。

投打がうまくかみ合わず、要所で勝利を上げられなかったことが今季の低迷の原因ではあるが、早慶戦で早大の完全優勝を阻止したようにチームの地力はある。精神面も含めたチームの成熟を進め、秋季の巻き返しに期待したい。 (柚木秀也)