
5月8日、慶大日吉キャンパス内の藤山記念館が改修を終えリニューアルオープンした。 (写真:「エキシビションルーム」内にある展示スペース)
当日は記念セレモニーが行われた。セレモニー後には施設内の見学会も実施され来場者に館内が公開された。
藤山記念館は、1958年に塾員・藤山愛一郎氏の寄贈により「藤山記念日吉図書館」として開館し、1985年に「藤山記念館」と改称。長年にわたり多目的施設として親しまれてきた。しかし、老朽化とキャンパス環境の改善を背景に改修が進められていた。
藤山コンツェルンの創始者である藤山雷太氏によって昭和2年に白金台に建てられた藤山工業図書館が藤山記念館の始まりだ。その後藤山工業図書館の土地を売却し、昭和33年に創立100周年記念事業の一環として新たに藤山記念日吉図書館として建築されたのが今の藤山記念館である。
今回のリニューアルにより、同館は文化・交流の拠点として機能を一新した。地下1階には「クリエイティブスペース」および「エキシビジョンスペース」が設置されており、大きな音を出す練習や展示利用が想定されている。「クリエイティブスペース」内のスタジオには壁に鏡が備え付けられておりダンス等のパフォーマンスの練習を行うことができる。
2階には、最大123人を収容する新劇場「SAJI THEATER」やオープンスペースが整備された。「SAJI THEATER」では、慶應の森の杉材を用いた大扉が特徴となっており、マイクやプロジェクターが備え付けられており、パフォーマンスの練習や映像鑑賞を行うことができる。同日のセレモニーでは学生団体によるダンスパフォーマンスが披露された。
1階には、株式会社プロントコーポレーションが手がけるカフェ「E PRONTO 慶應義塾日吉キャンパス店」が新たに出店した。同店では、コーヒーやレモネード、ホットドッグ、パスタ、生ドーナッツ、パンケーキなどを提供する。

営業時間は午前9時から午後9時(ラストオーダーは午後8時30分)で、定休日は大学のスケジュールに準じる。
また、同館内の4つのスペースについては、公認学生団体に限り、イベントや練習用途での利用が認められている。大きな音を出すパフォーマンスは禁止されているがギターの弾き語りや漫才等比較的騒音とならないイベントは可能だ。利用には塾生会館運営委員会を通した事前予約が必要で、いずれも学内関係者に限定される。
新装された藤山記念館は、食事や音楽を通じて交流の輪を広げる「人間交際」の場としての役割を担う。
(上村健太)