第86回関東大学サッカーリーグは前期の全日程が終了した。慶大は新布陣で6月の2試合に挑んだ。専大戦では大敗するも、新布陣が機能した筑波大戦は快勝し、前期最後の2試合を1勝1敗で終えた。(樫村拓真・小林知弘)

 

専大戦●1-6

慶大はけが人を多く抱える中、前年度全国王者である専大と対戦した。相手の圧倒的な攻撃力に押し込まれ、1―6の大差で敗北した。

「専大相手に慶大の良さが出るのではないか」(須田監督)と今季初の3バック布陣で臨んだ慶大。しかし、前半から3バックが故に生まれる両サイドのスペースから専大に攻め込まれる。厳しい状況ながらも、相手を抑え込んだのはGK峯(政2)を中心とした守備陣。

しかし、その均衡が40分に崩れた。左サイドを抜け出され先制点を許す。その1分後にも立て続けに2点目を許し、前半終了間際に2点のビハインドをつけられる。

後半、8分にFW武藤(経2)がドリブルで切り込んだところをエリア内で倒されPKを獲得。これをきっちり武藤が決め、何とか後半の早い時間に1点差に追いつく。次の1点を狙いたい慶大であったが、「相手の方が点を取りたいという勢いがあった」とMF増田(環2)が話すように、直後の15分に相手に3点目を許してしまう。

この1点がきっかけとなって勢いづいた専大に、続く21分には4点目、30分、31分にも5点目、6点目を立て続けに奪われた慶大。最後まで相手のサイド攻撃を抑えられないまま試合は終了し、今季最大の点差で敗北した。

 

筑波大戦○2-0

前期リーグ最終戦の筑波大戦は、2―0で勝利を収め、リーグ戦を良い形で折り返した。

前半、慶大は長短のパスを織り交ぜて、両サイドを使ったワイドな攻撃を展開する。しかし、相手ゴールに迫る場面は見せるものの、得点を奪えないまま時間が過ぎていく。

ここで均衡を破ったのがFWの武藤(経2)だった。36分、左サイドでボールを持ったMF松下(総3)が中央の武藤にパス。ゴールまで距離はあったが、「前を見たときに相手がいなかったから」(武藤)と相手のすきをついて強烈なミドルシュートをゴールに突き刺し先制点を獲得。

後半に入ると相手に押し込まれる場面が徐々に出てくる。そうした中でも慶大は武藤を中心に攻撃を展開する。迎えた9分、相手ゴールに切り込んだ武藤が倒され、FKのチャンス。これを赤木(経4)が決め、筑波大を突き放す。この後、筑波大に攻め込まれる場面が増えたが無失点で抑え、2―0の勝利を収めた。

試合後、須田監督は「節目の試合を勝利で飾れたのは大きいし、一体感のある良い試合だった」と振り返った。

 

早慶定期戦●0-2

第63回早慶サッカー定期戦が行われ、慶大は0―2で敗れ、定期戦4連勝とはならなかった。

前半、「早大にブロックをつくられた」と須田監督は振り返る。早大の堅守を崩せず、FW陣にボールを入れることができない。守備では攻め込まれる場面が見られたが、体を張ってゴールを許さない。

しかし、そのディフェンスが破られ、33分に左サイドからのクロスを決められる。続く38分には、長尾(総2)がPKを献上し、追加点を許す。また、このプレーで長尾が退場処分となり、数的不利な状況を強いられた。

ハーフタイムに「後半20分までは耐える」(松岡)というプランを立てて後半に臨んだが、序盤から攻勢をかける。ゴールに迫る場面は見られるものの、得点を奪えないまま時間が過ぎた。後半は少ない人数で互角の戦いを見せたが、0―2と無得点の敗戦を喫した。

最後の早慶戦を終えた主将の藤田(法4)は「4年生で迎える早慶戦には格別の思いがあった。応援に来てくださった方々に、そして運営に尽力してくれた仲間に申し訳ないという気持ちが大きい」と悔しさをにじませた。

 

6月の2試合で2得点と好評の武藤(左)