「水球をプレーできること自体が誇り」 

「水中の格闘技」。そう呼ばれるほど水球は激しいスポーツだ。その激しさ故か、競技人口は少なく、認知度は低い。
 「競泳はプールの壁と壁を行き来するだけ。ゲーム性のある団体競技をやりたかった」。そう話すのは水球部主将、永岡陽太さん(商4)。中学まで競泳をやっていたが、高校で水球を始めた。
 水球は、各チーム、キーパーを入れて7名のプレイヤーが、プールに設けられたコート内でゴールにボールを入れあい得点を競う。体がほぼ水中にあり、プールサイドにいる審判から見えないため、日常的に掴む、蹴るといった行為が起こる。それが「水中の格闘技」と呼ばれるゆえんだ。
 足のつかないプールでずっと泳ぎ続ける体力も鍵となる。「水球には日常生活レベルではありえない動きを要求されるなど、初心者ではすぐに身につかないスキルが必要とされる。それだけに、自分たちが水球をプレーできるということに誇りを感じる。そこが水球の魅力」と永岡さんは語る。
 4年生は永岡さんを含め2人しかいない。少人数では組織を回すのに仕事量が多くて大変だという。しかし少人数だからこその強い団結力をプレーで感じさせる。
 4年生として、次の世代に何かを残したい、と語る永岡さんの引退は、10月の日本選手権本戦に迫る。   (潮田 裕子)