ドリブルで切り込む森田
ドリブルで切り込む森田

ミスで連勝の流れ絶つ

第84回関東大学サッカーリーグ戦が4月11日に開幕した。開幕戦で今期のコンセプトを体現し、続く早慶戦にも勝って幸先のいいスタートを切った慶大。しかし、第3、4戦ではミスが絡み連敗し、早くも課題が浮き彫りになった。
 (丸山康平・井上史隆)

神大戦 理想の型で初戦を飾る
【慶大4―0神大】
 「苦手な相手から開幕戦で勝ち点3を取れてよかった」。試合後、皆が口をそろえた。昨シーズンは神大から勝ち点1しか奪えなかった慶大だが、この日は立ち上がりから流れを引き寄せた。
前半11分、河井(政3)がゴール前のワンツーから先制点を決め、その2分後には深澤(理4)がドリブルでスペースを見つけミドルシュートを突き刺した。
 その深澤など、スピードのある選手を活かしてディフェンスラインの裏をつくサッカーが今期のコンセプトだ。相手がラインを下げた時は、河井を中心にパスを回してタメをつくる。
 慶大の目指すサッカーが開幕から見られたことに李監督は「やることはわかった。早慶戦に向けていい準備が出来た」と喜びを浮かべた。
 後半24分には2日前から練習していたというFKでのサインプレーから鮮やかにダイレクトパスを繋ぎ加点。さらに深澤がこの日2ゴール目でダメを押し、4―0で快勝した。
早大戦 接戦を制すもリズム作れず
【慶大1―0早大】
 終了間際の得点により勝ち点3を手にした慶大だが、「内容に関しては全然ダメ」という李監督の言葉通り、終始リズムを作れなかった。
 慶大は前線のスピードを生かすためロングボールを多用した攻撃を仕掛けるが、早大のDFラインを下げた守りにチャンスを作れない。一方、早大はカウンター攻撃とセットプレーから、慶大の倍の6本のシュートを放つも得点に結び付けられない。
 後半に入っても精彩を欠く両校は、流れを変えるべくFWを交代する。残り4分、交代策が実ったのは慶大だった。ゴール前の混戦から抜け出した途中出場のFW森田(経2)がゴール中央へセンタリングを上げる。フリーで待っていたMF藤田(法2)が豪快に右足を振り抜くと、ボールはゴールへ吸い込まれていった。
 三上主将(法4)は「引いた相手に対する攻撃を修正しなければ」と言うように、今期のコンセプトに早くも課題が見つかった。
順大戦 ミスから失点リーグ初黒星
【慶大0―2順大】
 慶大は終始試合を支配しながらも1点が奪えず、逆に終了間際にミスから失点をし、リーグ戦初黒星を喫した。
 序盤、慶大は順大の素早い攻撃に振り回されピンチを招く。しかし、徐々に流れを掴んでいったのは慶大だった。DF黄のFKやDF笠松の強烈なロングシュートなどでチャンスを作るが得点が奪えない。
 後半に入っても両校共にチャンスを生かせない。慶大は選手を入れ替え、攻撃にアクセントを加えるが、ゴールを奪えない。引き分けの雰囲気が漂う後半44分、慶大はDFとGKの連携ミスから痛恨の失点をしてしまう。ロスタイムにも直接FKを叩き込まれ万事休す。
駒大戦 決定打なく3失点KO
【慶大0―3駒大】
 「一つも良いところがない」と李監督が言い放ったように、慶大は2節連続でゴールが奪えず、駒大に完敗した。
 慶大は序盤からボールを支配しゲームを進めて行く。しかし、敵陣内でのラストパスの精度が悪く、得点を取る気配がない。一方、駒大は前線の2人の高さを利用したロングボール中心の攻撃でゴールの匂いを漂わせる。28分、慶大はカウンターからDFの裏を突かれ、駒大FW棗に先取点を奪われた。
 後半開始早々、駒大の選手が2枚目のイエローカードをもらい退場する。退場で流れが慶大に傾くかと思われたが、駒大が慶大のミスを突き2点目を決める。慶大は頻繁に中盤以下でのボールを回すが、ゴールを奪おうとする積極的なプレーは見られない。受け身になっている一瞬の隙を突かれ、36分にダメ押しの3点目を決められた。
 2連敗の慶大だが、李監督は「気持ちの切り替えが必要」と次節の雪辱を誓った。