10月24日 慶大91-86法大 ○
10月25日 慶大68-77法大 ●

リーグ戦も第6週を迎え、勝負の行方が見え始めてきた。慶大と日大が3敗で並び、優勝の決定は最終週に持ち越しとなった。

ふっきれない3年コンビ
プレイに波があることが課題(♯14酒井)
プレイに波があることが課題(♯14酒井)

今週は♯14酒井(3年・福大大濠)と♯16二ノ宮(3年・京北)の不調が目立った。前週、2戦目のみで35得点を決めた♯14酒井。♯14酒井がようやく化けたかのように思われたが、今回はわずか1戦目16点、2戦目13点と得点に貢献することはなかった。
「あの子の課題は、オフェンスリバウンドを取った後に、どういう判断をするかということなんですね。行くべきか、ステップをして、出すべきか。この2試合力づくになって」(佐々木HC)
「波があるっていうのが弱点でもあるんですけど。シュートは波があって、もともとあんまり入んないんで、リバウンドやディフェンスで貢献したいですよね」と♯14酒井も自身のオフェンスに課題は感じていたが、ディフェンスでチームを支えようと意気込んでいた。

珍しく2日連続であった♯16二ノ宮
珍しく2日連続であった♯16二ノ宮

また、とりわけ不調だったのが♯16二ノ宮だ。1戦目からシュートタッチが悪いなど、ふっきれないプレイが続き、「明日はスーパー良いか、スーパー悪いかのどっちか」と♯16二ノ宮について佐々木HCが指摘していた。その予測は悪い方へと転がった。前半に相手のファウルで2本のフリースローを獲得するも、1本目はエアーボール。続くフリースローも決まらない。後半では、3連続でシュートを試みるも得点につながらない。「自分自身でも調子が悪いとは思っていました。その時こそ周りをうまくうごかさなきゃいけないんですけど、それもうまくできなくて…」と法大との2戦を終えて話した。
♯16二ノ宮自身の不調の原因は、相手が♯16二ノ宮にプレイをさせないようにしてくるところにある。
「どこのチームもやってくるんですけど、二ノ宮を抑えてその後にスティールを狙ってくるので、速攻につなげられるリズムにならない」(♯7岩下・3年・芝)
今後は、相手が抑えてくることに対して、いかにチームでかわしていくかが重要となってくる。

指導者とエース、それぞれの反省
「私の責任です」と何度も繰り返していた(佐々木HC)
「私の責任です」と何度も繰り返していた(佐々木HC)

「専修大あたりかな。少し選手たちを休憩させたんですよ。それが悪い方にいったかな」と自身の指導に甘い部分があったと佐々木HCは反省の色をみせた。
専修大戦の後に佐々木HCは、あえて選手たちにあまり指示を出さずに選手たちに自由にやらせていたことを話した。
「昨日(専修大1戦目の後)は、ほとんど何も言っていないですよ。悪い時には、自分たちで変えるというのが時々ないと。トーナメントみたいに一発勝負の時は、こっちでキュッとうやってしまいますけど、リーグ戦だから、遊びを持たせながらやっている。自分たちでこういう時にはこうするということが、少しずつ分かってくれればいいかな」(佐々木HC)
しかし、自由にやらせてしまって♯5小林(4年・福大大濠)に頼りすぎてしまい、法大戦ではマイナス要因となってしまった。
「うちのオフェンスがあまりにも悪すぎる。チームとしての方向性が見えないままやってしまっている」とスターターの5人の意思統一ができていないことに課題があることを指摘した。「オフェンスのチームプレイをやり通すのを、練習できちんとやらなきゃダメね。(小林は)4年生だからという部分で任せているところがあって、それであの人点数取るからいいのかなっていう部分があったのかもしれない。私の責任ですよ。昨日の今日だから、言わなきゃいけなかった」と、得点を♯5小林に頼りすぎていたことがこのような結果を招いてしまったという。

自身のプレイを「自分のエゴだった」と振り返った(♯5小林)
自身のプレイを「自分のエゴだった」と振り返った(♯5小林)

♯5小林も専修大戦の際に自らのプレイについて次のように振り返った。
「(シュートを)決めればいいものを、決めれなかった。それでやられるよりも確実に1対1でしたね。そこら辺が僕のエゴですよね。最後のほうはチームに迷惑をかけてしまいました」(♯5小林)
そのエゴというものが法大戦の結果に顕著に表れたといえる。
「チームのために個人が頑張るというのはいいんですけど、それを履き違えるなと(佐々木HCに)言われました。チームのために個人があるのであって、ちょっと暴走気味であったと指摘されました。そこは僕自身も感じてたので、熱くなりすぎて自分で行こうという気持ちが前面に出ちゃったかなと思っていました」と佐々木HCの助言を受け入れ、改善しようという姿勢が感じられた。今後、彼のプレイに注目したい。

チームとして、今は完全に下降気味である。その理由を「5人の意思疎通ができてない」と♯5小林は話していた。♯14酒井がターンオーバーをするも、自分たちのことに必死になりすぎて周りが助けにいかないといったのが現状である。今週末に控えている筑波大戦は、1部リーグ優勝をかけた大事な試合となる。筑波大に快勝し、優勝するためにも下降ペースに歯止めをかけなければならない。そして、このスランプを乗り越えるためには、「びっくりするほど練習するしかないですよ」と言い放った。どんなスポーツでも不調を取り除くには、練習しかなない。法大に1敗したことで精神的な疲れが一気に襲ってきたはずである。2戦目を終えた後、♯5小林の表情にも疲れがみえた。その精神的な疲れを払拭するためにも、練習、練習、練習…という1週間になるべきなのかもしれない。

文:阪本梨紗子
写真:阪本梨紗子
取材:阪本梨紗子、湯浅寛、金武幸宏、劉広耀