「ごはんと音楽」からインドネシアを知る 塾生主催イベント開催

食と音楽をテーマに、インドネシアの文化を気軽に楽しめるイベント「New Room Project for Indonesia」が、2月15日に開かれる。主催者の志村千晶さん(政3)に意気込みを聞いた。

 

【プロフィール】

志村千晶(しむら・ちあき)

慶應義塾大学法学部政治学科3年
文学部社会学専攻 岡原正幸研究会
慶應義塾大学Offcourse Music Company・東大音感 所属

 

イベント概要

2020年2月15日(土) open 11:00  close 14:00  テーマ「ごはんと音楽」

レンタルスペースRICO
〒106-0031 東京都港区西麻布2丁目17-14  TEL:03-6433-5593
※入場料無料 イベント中の出入り自由 お食事代別

 

New Room Project for Indonesia について

 

 

――どういうイベントなのか

New Room Project for Indonesiaは、より多くの日本人にインドネシアへの興味を抱いてもらうため、インドネシアの文化・芸術を何か新しい形で発信していこうという企画です。

 

――今回はどのようなイベントを企画しているか

テーマは「ごはんと音楽」です。 新大久保にあるインドネシア料理店「MONGGO MORO」とコラボし、本場のジャワ料理を提供しながら、インドネシアのポップスや洋楽などのアコースティックライブを行う予定です。インドネシアの人たちや、慶大をはじめとする有志の学生が演奏します。また、インドネシアの伝統音楽と一般的なポップスの違いを、実演を交えながら解説するワークショップを行います。

家庭で作れるインドネシア料理のレシピや、最近インドネシアで流行っている音楽アーティスト、伝統音楽などを紹介するフリーペーパーも配布します。

 

――前回はどのようなイベントだったか

前回のテーマは、「インドネシア×映像×音楽」でした。

インドネシアとの関連性を深めるため、インドネシアで人気なJ-popや洋楽、世界平和ソングで知られているアーティストなどに範囲を絞ったバンド演奏を行いました。また、インドネシア人の学生さんによる伝統舞踊や、「インドネシアに行ってみたい」と来場者に感じてもらうために、映像によるインドネシアの観光スポット紹介も行いました。

なお、イベント当日の収益は、国際NGO団体 Habitat for Humanity Indonesiaへ全額寄付しました。

 

 

イベントを主催するに至ったきっかけ

 

――どのようにインドネシアを知ったのか

前回の主催者である私の友人が、インドネシアで住居建設ボランティアを行った際、「お世話になったインドネシアの方々に何か恩返しをしたい」と感じるようになりました。インドネシアの暮らしや文化を発信するようなイベントを通じて、より多くの日本人にインドネシアへの興味を持ってもらうことが、インドネシアの貧しい地域への支援の幅を広げるのではないかと考えたそうです。

彼女はイベント主催の経験がなかったため、バンドサークルに所属している私に相談してくれました。私も彼女の想いに共感し、2 人で“New Room Project for Indonesia”という企画を立ち上げました。

実際、私自身もこの企画を始める以前は「インドネシアに対して世界史で習った東南アジアの一国」というイメージしか抱いていませんでしたが、企画の主催を通してインドネシアの文化の多様性に興味を抱くようになりました。

 

――今回のイベント開催を決意した経緯

前回のイベントでは、私は主催者を支える立場として運営・企画・広報などを担当しました。来場者の多くの方に楽しんでもらえた反面、一方的に発信するだけのイベントになってしまったことなど、反省点も多くありました。

一度きりの企画の予定でしたが、前回のイベントを踏まえつつ自分なりにコンセプトを設定した上で再度開催したいと感じるようになり、今回は私が主催者として開催することになりました。もちろん、今回も運営・企画・広報などを担当しているのですが、前回とは違い主催者という立場の重みを感じています。正直、どれくらいの方にお越し頂けるのかなという不安もありますし(笑)

そのような中で、前回から一緒に企画しているインドネシア人のファリダ・プトリさんの存在はかなり心強いです。いつも気さくで明るく、「がんばりましょう!!」と言ってくれて救われています(笑)

 

――前回のイベントでクラウドファウンディングを行った経緯と結果について

前回は、より多くの方に来場してもらいたいと考え、ライブハウスで開催しました。しかし、私たちはまだ学生であり、開催費用の全額自己負担は現実的に厳しいものがありました。

また、イベントによる収益を国際NGO団体 Habitat for Humanity Indonesiaへ全額寄付することで、見える形(建築資材費などへの利用)でインドネシアへ貢献することも一つの目的でした。これらを踏まえ、企画に共感してもらえた方たちに費用面での協力を頂きたいと考えました。

多くの方に支援してもらった結果クラウドファウンディングは成功し、合計¥619,000の支援金を頂き、無事にイベントを開催することができました。支援いただいた方々には大変感謝しています。

 

 

 

イベントの中で大事にしていること

 

――企画のスタンスとは

New Room Project for Indonesiaでは、あえてインドネシアの政治的な問題についてあまり触れないようにしています。これは政治的な問題を軽視しているということではなく、それが様々な要素を包含する複雑なものであるため、単体で扱うことにためらいがあるからです。文化への理解は、政治的問題の検討にも通ずると考えているため、文化・芸術などの側面からのアプローチを大切にしています。

 

――異文化理解と政治的問題の理解との関係性とは

まず、国家間の利害関係や、それに基づく政治的問題だけを切り取って他国を見た場合、感情論によって導かれた偏見やマイナスイメージなどを抱いてしまうことが多くなります。この要因の一つとして、政治問題の前提として存在し、その国の人々の価値観に影響を及ぼす文化的背景が無視されていることが挙げられるでしょう。文化理解によって政治的問題を俯瞰的に見ることが可能となり、感情論での衝突の緩和につながると考えています。

また、政治的問題だけを単体で扱うと、感情的にその国の人々を1つの国家的政治集団として捉え、マイナスイメージと結びつけてしまう傾向が強まるのではないかと考えます。いくら文化的背景が価値観に影響を与えると言っても、その国の人々全員が全く同じ価値観を共有しているわけではないですよね。

日本でも現在多くの外国人が生活していますし、今後異なる文化背景を持つ人々と上手く共存していくには、まず、彼らの文化的背景を理解する。その上で、その国の人を1集団と捉えるのではなく、1個人として認識するように心がけることが大事になってくるのではないでしょうか。

そして、私たちはSNSによって、より多くの情報に触れることが可能になりました。グローバル化が進んだ現代では、マスメディアによる情報に左右されにくくなっているからこそ、国際政治問題は政府間問題から国民間問題へ移行しつつあるのではないかと考えます。

SNSを通して異文化を理解し、国民間関係を良好に保てる可能性は、以前よりも高くなっていると感じますし、それが今後政府間関係に影響を与える可能性も高まると私は考えています。

私にとって、他国の文化に興味を抱くきっかけになったのは、その国の音楽でした。これは私が単に音楽が好きなだけで、美術や食などがきっかけになる人も多くいると思います。

きっかけは人によって異なると思いますが「他国の文化に興味を持つ」という姿勢が大切で、それが少しでも、世界中の問題に対する解決へのアプローチになるのではないかと考えています。

学生である私たちの企画は本当にささいなものですが、文化や芸術を通じて少しでもインドネシアへの興味を抱いてもらえれば良いと思っています。そして、その姿勢がインドネシア以外の国々にも向かってもらえたらうれしいです。

 

 

最後に

 

イベントに出演してくれる友人、フリーペーパー制作に協力してくれたゼミやサークルの友人、ポスターなどのデザイン全般を行ってくれている武蔵野美術大学の学生さん、そして一緒にイベントを企画しているインドネシア人のファリダ・プトリさん、企画を通して関わった全ての方々に感謝します。

アットホームな雰囲気で、来場者の思い出に残るイベントにしたいと思っています。インドネシア料理を食べてみたい方、インドネシアの音楽に興味がある方、外国の文化に興味がある方など、どなたでもぜひお越しください!

(松岡秀俊)