【喊声】2016年2月号

▼自分の将来に不安がある。就職、結婚、出産。どの2文字を見ても何も明確に見えてこない。大学生なら当たり前だろう。それでも遠くの未来を見たくなる。

▼大学生活の折り返し地点に立つ私は、まだなりたい自分を見つけられずにいる。ある時何かの縁で、今の自分とは違う何者かになれると信じていたりする。

▼100年に1人の逸材と言われるバレエダンサー、シルヴィ・ギエムが昨年末引退した。2016年カウントダウンの『ボレロ』の舞を見た人も多いだろう。クライマックスに向かうに従い、単なる舞踊を超えた魂の叫びのようで息を呑んだ。15年バレエを続けている私にとって、彼女はなりたい人のひとりである。

▼砂浜でひと粒光るダイヤのような存在でありながら、「成長し続ける人生、それが私の人生」という言葉とともに引退した。バレエという枠を卒業しても次の人生を模索し続ける。彼女の挑戦に終わりはない

▼受験生時代、今までの努力の結果がたった一度の試験で決まることに怯えていた。しかしこれからの挑戦では、自分がどんな尺度で測られるのかわからない。もう誰も私に点数をつけてはくれない。真に人間性が問われていくことになる。私は今の自分のままで、自信を持って次の勝負に挑めるだろうか

▼何者かになれることを願うのではなく、目の前の小さなことを一つ一つこなしていく。無知で、将来を悲観してしまう格好悪い今の自分を、少しずつ理想の自分に近づけることしかできないのだ。格好悪い姿のままあがく。今やれることをやる。これらは絶対に私を裏切らないだろう。
(山下菜生)