第2回「情報の教養学」開催 今後の神経医療に明るい未来

登壇する理工学部の牛場潤一准教授
登壇する理工学部の牛場潤一准教授
教養研究センター主催「情報の教養学」が先月13日、日吉キャンパス来往舎のシンポジウムスペースで開催された。春学期第2回目となる今回は「脳を知り、脳を治す」と題し、理工学部の牛場潤一准教授が登壇した。 脳の中では、信号を処理する細胞によってネットワークが構成され、情報が処理されている。このように、脳の構造をシステムとして捉え、それを解明する研究が持つ可能性について語った。


牛場准教授によると、従来のリハビリテーション医療では、手や足などに対する処置が中心的で、運動障害の根本原因である脳そのものへのアプローチは十分ではなかった。そのため、麻痺した手足の状態を改善させることは難しいとされてきた。 

しかし、脳をシステムとして理解することで「表面的には同じように麻痺が生じている障害でも、脳の活動状態が異なることがわかり、正確に原因を突き止めることができるようになってきた」という。その結果、損傷した箇所が果たしていた機能を他の部分がカバーするように脳のシステムを再構成させることが可能になり、それによってリハビリテーションの質が向上した。

講演の最後に牛場准教授は、「今後の医療、特に神経医療を作っていくのは医学部だけではない。理工学部もその主体の一員になれるのだ」と述べ、これからの医療開発に期待を寄せた。

今年度の「情報の教養学」講座は「情報と社会」を共通のテーマにおいて開催されている。現代社会で生きていくなかで切っても切り離せない関係にあるものとして情報を理解し、その情報が社会に与える影響を様々な角度から見つめることを目的としている。