蹴球部 新体制の1年を振り返って

先月2日、慶大蹴球部は4年ぶりに大学選手権の準決勝に進出した。国立競技場で行われたこの試合を、正月にテレビで見た人もたくさんいるだろう。キャプテンの宮川尚之選手(環4)、来季から社会人リーグのチームに所属する予定の児玉健太郎選手(環4)に和田監督の就任後のチームの変化や4年間の大学生活についてお話を伺った。  (増田絢香)

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宮川尚之選手(左)と児玉健太郎選手(右)

宮川選手「かけがえのない主将の経験」 児玉選手「監督の環境作りがチームを変えた」

先月2日の大学選手権について宮川選手は「いい経験ができた」という。また、自身初となる国立競技場について児玉選手は、「独特の雰囲気があった」と語った。

今年は、和田監督が就任して1年目の年であった。「僕らがラグビーに集中できる環境を作ってくれる監督だった」と児玉選手は言う。和田監督の下、チームは強化された。早朝からウエイトトレーニングを行うことで、早寝を促し、規則正しい生活を送るようになった。

また、不足がちだったタンパク質を多く摂取するために魚や鶏をメインにしたおかずを2種類摂り、豆腐、ヨーグルト、納豆は冷蔵庫に常備するなど、食事の改善をした。実際、体の変化を感じたそうだ。

さらに、夕食を寮で取らなければならない規則を設けた。部員全員が同じ釜の飯を食べる環境がコミュニケーションをとるきっかけとなった。「普段、練習時間帯が異なり一緒に練習できない選手と試合で一緒になったとき、自然と溶け込めた」と児玉選手は話す。

キャプテンを務めた宮川選手は「正直ものすごく辛かった。覚悟はしていたが、悪いときは大半がキャプテンのせいになる。僕たちが今までやってきたことがあっているのか迷ったが、いい経験をさせてもらった」と話す。「キャプテンのプレッシャーは他の人では経験できない。社会に出てもこれ以上のプレッシャーはないだろう。社会に出て大きな糧になる」と実感している。

慶大蹴球部の魅力を宮川選手は、「スポーツ推薦がない。有名な選手があまりいない中でも、皆が泥臭く目標を達成しようと向上心を持っている姿勢が誇れる」。児玉選手は「弱いチームでもがいている分、慶大からトップリーグに入る選手は少ないのに、活躍している先輩が多い」と語る。

児玉選手にとって、慶大蹴球部の伝統を作ったOBの存在は大きい。大人になっても挑戦し続けるOBの考え方、姿勢が心に響くそうだ。 新大学生には「何か一つに対して、目標をもって取り組めば、おのずと大きな感動とたくさんの人たちに出会える」(宮川選手)、「体も心もストレスがないと大きくならない。プレッシャーがかかるところに身をおいてどんどん成長してほしい」(児玉選手)とエールを送った。

今後の抱負について、「ラグビーで培った忍耐力、精神力を活かし、次の環境でも向上心を持って、社会の歯車の一つとなっていければ」と宮川選手は言う。児玉選手は「自分の感動、喜び、悲しみの大きさを更新していく。スティーブ・ジョブズの『人生は死ぬまでブートキャンプにいるようなもの』という言葉のように、男なので野望を持ってどんどん挑戦して、上を目指したい」と語る。

2人の今後に期待するとともに、今月16日から始まる日本選手権での蹴球部の活躍にも注目したい。