理系の人気は変わらず 文系は平年並み

2014年度慶大一般入試の出願が先月23日に締め切られ、今月4日、志願者数が確定した。全体志願者数は前年と比べ387人減の4万2398人となり、わずかに前年を下回った。学部別では、理系学部の人気が継続している。

今年度一般入試は2月12日の薬学部から始まり、医学部二次試験が行われる3月3日まで延べ12日間行われる。合格発表は21日から3月7日にかけて順次公開される。

今年度の慶大一般入試の変更点として、経済学部の募集人数が30人減少したことが挙げられる。A方式は前年度500人から480人の20人減。B方式では、前年度250人から240人への10人の減少となり、合わせて30人の減少となった。全体の志願者は前年の4万2785人から4万2398人と387人の減少となり、志願者数の減少傾向が続いている。この背景としては、経済的な負担から地元志向や国公立大学志向が強まっていること、不安定な社会情勢から浪人を回避したいという安全志向が関係していると考えられる。

また、来年度から学習指導要領が変更となることが安全志向に輪をかけているのではないかと慶大入学センターは分析している。

学部別では、依然理系の人気が高く志願者が増加しているのに対し、文系の志願者の減少が顕著である。文系学部で増加が見られるのは経済学部A方式のみであり、経済学部B方式を含む、ほかの文系学部は軒並み志願者が減少した。特に法学部法律学科と商学部B方式の減少が目立つ。

理系学部では、看護医療学部に若干の志願者数の減少があったが、多くの学部で増加の傾向が見られる。大きな変化が表れたのは、医学部と薬学部である。医学部は前年と比べ50人の増加、薬学部では薬学科と薬科学科の合計で240人の増加が見られた。就職に強いとされる理工学部や資格取得が可能な医学部、薬学部に人気が集まっていると思われる。

理工学部の志願者は志望学門に応じてばらつきが多いが、学部全体としては、ほぼ変わっていない。

総合政策学部、環境情報学部の両学部は、共に志願者が減少した。

志願者の減少が見られたものの、入試の難易度にはさほど影響が出ないと考えられる。特に人気の理系学部では激しい競争が見込まれる。