データジャーナリズムの今後を語る
第3回情報の教養学講演会が先月12日、来往舎シンポジウムスペースで開催された。同講演会は教養研究センターが主催しており、今回が3回目となる。テーマを「調査報道を変えたデータジャーナリズムの衝撃」として講師にシステムエンジニアの赤倉優蔵氏が招かれた。

「個人で影響力のある報道が可能」
赤倉氏は通信社に勤める傍ら、データジャーナリズムの研究を通して従来のメディアに捉われない報道の在り方を探っている。同講演を通して、「データジャーナリズムの役割と社会に与える影響」について語った。
まず赤倉氏はデータジャーナリズムとは、事実に裏付けられたインパクトの強い報道技法だと述べた。従来の報道が人と向き合ってきたのに対し、データと向き合うという点に特徴があるという。既存のメディアの枠にとらわれず、個人の力で影響力をもった報道が可能だと述べた。
また、データジャーナリズムが社会に影響を与えた例として、「ウィキリークス」や「アメリカの大統領選の結果予測」を挙げ、データジャーナリズムが世論を巻き込み、社会を変える力を秘めていることを強調した。
最後に赤倉氏は、「データジャーナリズムは日本ではまだまだ未発達な技法だが、近い将来には日本社会にも強い影響を与えうる」と力強く語り、講演を締めくくった。