東京六大学野球リーグ戦、法大に連敗し、苦しい戦いを強いられている慶大は、明大に連勝したものの、東大に1敗し、さらに厳しい状況に追い込まれた。6日現在、慶大は4勝3敗で3位。今後慶大は18日からの立大戦、11月1日からの早大戦と対戦し、優勝を目指す。

優勝へ首の皮一枚 打線不調、遠い1点

慶明第一戦
10回勝ち越しも攻守に課題残す
 2対2で迎えた延長10回表、慶大は青山(環2)の三塁打、梶本(環3)の死球で無死1、3塁とすると、つづく湯本のセンター前ヒットで勝ち越しに成功する。追加点こそ奪えなかったものの、相澤がその1点を守りきり、3―2で慶大は秋季リーグ初勝利を挙げた。
 この試合慶大は二桁安打していながら二度も満塁のチャンスを逃すなど、攻めきれない打撃陣に課題が残った。また先発の中林(商3)は7回を投げ被安打2と好投したにもかかわらず、守りのミスもあり終わってみれば2失点。守備陣にも不安が残った。この試合、失策は両チーム合わせて5つ。全体を通していまひとつ緊迫感を欠いた。
 慶大はこの結果を単なる1勝と捉えずに、次の勝利に向けての糧にしていってほしいところ。リーグ戦はまだ始まったばかりだ。今後一層の活躍を期待したい。

慶明第二戦
梶本決勝弾 明治に連勝
 投手戦となった第2戦、8回に梶本が勝ち越しホームランを放ち明大に連勝し、勝ち点を獲得した。
 この試合、慶大には前日今季初勝利を決めた勢いはなかった。明大先発、野村のチェンジアップの前に打線は凡打の山を築かれ沈黙。先発中林が4回池田に先制打を打たれると、この試合もも重いゲーム展開となる。
 だが、7回になると疲れが見える野村えお捉え湯本(商2)の適時打で同点に、続く8回には代わった江柄子から梶本がツーランホームランを放ち勝ち越した。ホームランについて梶本は「直球を狙っていたが、スライダーが甘いところに来た」と振り返った。
 そして9回、このリードを2番手相澤(経4)が守り、慶大は明大に連勝。「勝ち投手になるまでは投げたかった」と言う中林は結局8回1失点の好投で今季初勝利を挙げた。
 
慶東第一戦
追加点奪えず まさかの黒星
 慶大が逆転負けで5年ぶりの東大戦黒星を喫し、東大の連敗は16で止まった。慶大は打線が東大先発鈴木の120球の力投の前に初回の1点に終わり、投手陣も肝心なところで踏ん張れなかった。
 慶大は4回途中、先発中林がピッチャー返しを受け負傷退場するというアクシデントに見舞われた。中林は一時はマウンドに戻るも制球が定まらず1点を失い、この回で降板した。6回からは主将の相澤がマウンドに上がったが、7回に東大打線につかまり、2死1、3塁の場面で代打鬼原に勝ち越し打を許した。
 逆に慶大打線は何度も好機を演出するものの、あと1本のところで鈴木を捉えられず、初回以降点を奪えなかった。
 前回の試合後、中林は「東大だからこそ雑なプレーで隙を作ってはいけない」と語っていた。そのような意味でも、この1敗を立大、早大戦に活かして欲しい。

慶東第二戦
相澤6回完全走攻守で圧倒
 前日敗れ、後がなくなった慶大は相澤の好投で東大に雪辱した。
 先発の相澤は東大打線を6回まで走者を一人も出さずに抑える。点差のついた7回の打席で代打を送られ、完全試合の快挙はならなかったが今季2勝目を手にした。
 打線も12安打と復調の兆しを見せた。全打席出塁した漆畑(商3)が2つなど、計5盗塁を記録し、走攻守全ての面で東大を圧倒した試合だった。

慶東第三戦
3回に集中打 完封で勝ち点
 3連投となった相澤がこの試合も好投。被安打1とほぼ完璧な内容で勝ち点をもたらした。
 3回表、漆畑の適時二塁打、今福(環4)の2ランなど長打を4本集めて5点を奪う。その後、好投した東大・鈴木から追加点は奪えなかったが、相澤が危なげない投球で守り、勝ち点を奪った。