慶應塾生新聞会 三田オフィス
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【六大学野球】慶大、優勝なるか きょう勝利で6季ぶりリーグ制覇へ 春季リーグ・ハイライト

「投手・打撃の要が抜けた穴はあまりに大きい。チーム力で補わなければ、太刀打ちできない」 
 
東京六大学野球春季リーグ開幕直前、大久保監督はこう語った。
 
エース・加藤や、打線を牽引していた山本瑛、沓掛などタレント豊かな選手が引退し、チームの台所事情は一変した。ところが蓋を開けてみると、下馬評を裏切る大健闘。総力を結集し、2位に「食らいついている」。それが今の慶大だ。
 
現戦力が善戦している最大要因は、やはり投手陣の奮起だろう。髙橋佑(環2)は、今季、先発マウンドに立った6試合を含む計9試合に登板。立大4回戦では自己最長となる7回を投げ1失点に抑えるなど、一躍チームを優勝争いの舞台へ押し上げる立役者となった。「何イニング投げたという事実は残るかもしれないけど、まだ納得のいく投球ではない」と本人は話すが、登板を重ねるごとに着実に粘り強さが増している。
 
ここまで、慶大は2点差以内の試合が5試合と、手に汗握る展開が続いている。監督が「一歩間違えればひっくり返されていた」と振り返る戦況でも、粘り勝って上位を死守してきた。
 
投手の踏ん張りを支えてきたのが、マスクをかぶる郡司(環2)だ。一打逆転の場面でも「落ち着いてプレーできている」と語るように、ピッチャーから強気の投球を引き出すリードだけでなく、盗塁刺で得点圏にランナーを置かない強みがある。打っては打率.333と、自らの打撃でも投手陣を援護している。昨秋のリーグ戦で、1年生ながらレギュラーの座をつかんだ逸材は、押しも押されもせぬ正捕手へと成長した。
 
バッテリーだけではない。今季の慶大は、切れ目のない打線こそが得点を呼びよせる。個々の力が傑出していた昨年は、打線がつながりを欠いた場面が多く、チームとしての脆さに繋がった。今年はどうだろう。一度打線に火がつけば、中軸を中心として猛攻を仕掛ける。
 
昨日行われた早大1回戦では、6回、2番・瀬尾(理4)がこの日チーム初ヒットとなる二塁打を放つと、相手のミスも絡み満塁に。迎えた7番・清水翔(総4)が浮いた球を捉え、値千金の満塁弾を右翼席に運んだ。
 
しかし直後の7回、早大は佐藤晋の2号ソロを皮切りに一挙5点の反撃を加え、形勢は逆転する。するとその裏、照屋(環4)が先頭打で出塁すると、球威で押す早大の3番手・早川から二連続四球を選び、満塁で打順は柳町(商2)へ。

「狙い球を絞って最初から振っていこうと思っていた」という言葉通り初球を振り抜いた打球は、その瞬間ホームランと分かる当たりだった。この試合2本目のグランドスラムで、神宮球場のボルテージは最高潮に。これが決勝打となり、早慶戦1戦目は慶大に軍配が上がった。
 
ついに優勝に王手をかけた慶大。投手の粘り、打線のつながり、そして投打の噛み合わせという3条件そろった戦いを展開できれば、早大を振り落とせるだろう。今季は、毎試合異なる選手が勝利を演出してきた。最後にお立ち台に立つのは、誰だ。
(広瀬航太郎)