先月10日に、慶大三田キャンパスにおいてクリスチャン・マセ駐日フランス大使による講演会が行われた。講演のテーマは「ヨーロッパの経済危機とフランス新政権」。
講演は三つのテーマに分けて進行した。まず最初にユーロ圏の経済危機についての概要を紹介。それぞれの国が抱える財政赤字を主因と分析した。
次いで、こうした危機に対するEUの取り組みの方向性について触れた。一つは財政面でより規律をとること。具体的には赤字削減を狙いとした相互監督機能をつくるという。他に、連帯感を持つこと、格差が広まらないよう均一化を目指すこと、地域におけるコミュニケーションの強化を図ることを目指す。こうした方針を一つの条約にまとめるよう努力されているという。
最後に今後の日仏関係について述べた。グローバル化の流れに乗りつつ財政を立て直し、生産性の向上させるなど将来を見据えた政治を行っていくには、他国との提携を強化する必要があると指摘。特に同じ資本主義国であり価値観が似ているという日仏間の関係強化の重要性を強調した。