サイドで攻撃の起点となった山浦

第86回関東大学サッカーリーグが先月7日に開幕。慶大は開幕戦で中大に敗れ、続く神大戦も敗戦を喫し2連敗で開幕スタートを切った。第3節では東学大を相手に初勝利を挙げるも、その後の2試合で1分1敗と波に乗ることはできなかった               (樫村拓真・小林知弘)

 

中大戦 ●1-2 リーグ初戦勝利飾れず

開幕戦となった中大戦。慶大は1―2の逆転負けを喫し、初戦を勝利で飾ることはできなかった。

緊張感に包まれて始まった前半、慶大は開始早々にFKを獲得。これをMF赤木(経4)が決めて、幸先良いスタートを切る。

この後慶大はテンポの良いパス回しからチャンスを作るも追加点を奪うことができない。そして前半40分、相手右サイドからのクロスをゴール前で決められ同点に追いつかれてしまう。 慶大は後半に入ってもパスをつないで攻撃を展開する。後半8分には中央でボールを持ったMF磨見(文2)がシュートを打つもポストに当たり、ゴールならず。

直後、「前からプレスをかけた所を狙われた」と主将の藤田(法4)が振り返るように、DFの裏を取られて、カウンター攻撃から2点目を決められてしまう。慶大は、FW端山(総1)、武藤(経2)を投入して最後まで攻めの姿勢を見せたが、このまま試合は終了し、開幕戦での勝利はならなかった。

試合後のインタビューで須田監督は、「負けはしたが良い内容の試合だった。チャレンジャーである気持ちを忘れずに各試合を戦っていきたい」と話した。
神大戦 ●1-2 パスつなげず 開幕2連敗
今季初勝利をもぎ取りたい慶大であったが、神大に1―2と惜敗した。

慶大は持ち前のパスサッカーで攻めようとするも、神大の前線からの激しいプレス、雨ですべりやすいピッチコンディションもあり、思うようにボールをつなぐことができない。すると前半6分にゴール前を崩され、神大に先制点を許す。

その後慶大は、22分に絶好の同点機であったPKを外すも、31分にFW近藤(総1)が相手GKから奪ったボールをそのままゴールに押し込む。何とか食らいつき前半を折り返す。

後半、逆転を狙う慶大であったが、後半4分に神大に勝ち越し弾を決められ早々に出鼻を挫かれる。 MF増田(環2)が「自分たちのパスサッカーができなくて残念だった」と話すように、後半全体にわたって試合のペースを握れない。スコアはそのまま動かず1―2で終了の笛が鳴り、慶大はリーグ戦開幕2連敗を喫した。

須田監督は試合後、「結果が伴わなくとも、自分達の戦い方を見失わないようにしていきたい」と、慶大のパスサッカーを今季も貫く姿勢を見せた。
東学大戦 ○1-0 守備がさえ今季初勝利
リーグ戦初勝利をかけて戦った第3節。慶大は、東学大を1―0で下した。 慶大は序盤からパスをつないでゴールを狙う。しかし、ゴール前でのラストパスが通らずシュートを打てない。

また、グランドコンディションが悪く、パスミスが目立つ。こうしたミスからボールを奪われるが、「球際が弱かった」(須田監督)という前節の反省を生かし、GK峯(法2)のファインセーブなど、体を張った守備でゴールを死守。試合が動かないまま前半終了。。 後半に入ると、東学大にパスを回され17分、20分と立て続けにピンチを迎える。だがGK峯を中心にゴールを許さない。

ピンチをしのいだ慶大は22分右サイドから攻撃を仕掛ける。これをファールで止められFKを獲得。このFKにDF松岡(商4)がヘッドで合わせ均衡を破る。これが決勝点となり、慶大は今季3試合目にして初勝利を飾った。

国士大戦 ●0-2

2連勝をかけて戦った第4節。国士大を相手に0―2で敗戦を喫した。

慶大は序盤からパスを回して相手ゴールに迫る。しかし、時間が経つにつれ守備に回る時間が増える。また、ディフェンスラインでパス回しをする場面が目立つようになる。すると前半32分、中盤につないだ所をパスカットされゴール前まで運ばれる。これをDF松下(総3)が倒してしまいPKを献上。これを決められ先制を許す。さらに前半終了間際には、またもパスカットからボールを運ばれ、2点目を与えてしまう。

なんとしても追いつきたい慶大は、後半12分にFW武藤(経2)を投入し攻撃に厚みを加える。後半27分には、カウンターからFW武藤を経由しDF岩田がシュートを打つが相手GKに防がれる。この後もゴールを狙うが得点を奪えず0―2で試合終了となった。

試合後、須田監督は「すべてがだめだった。パスの練習をした意味がない。リーグ戦は甘くない」と険しい表情で語った。
日体大戦 △2-2

2部からの昇格組である日体大との試合。慶大は、MF森田(経4)の終盤の同点弾で2―2の引き分けに持ち込んだ。

前半立ち上がりの10分、相手の縦パスをDFが処理しきれず、突破を許し、先制点を献上する。出鼻をくじかれた慶大であったが、持ち味のパス回しから37分にMF近藤(総1)のGKとの1対1、44分にはMF森田のボレーシュートと幾度のビッグチャンスを生む。しかし、相手ゴールを揺らすには至らず、0―1とリードを許し試合を折り返す。

後半開始直後の4分、慶大はDF松下(総3)が自身の上げたクロスの跳ね返りを押し込み、同点に追いつく。

追加点を狙う慶大はMF近藤のミドルシュートなどで相手ゴールを度々脅かす。しかし38分、待望の追加点は日体大に。窮地に立たされた慶大は、攻勢を強める。その努力が実ったのは終了間際の44分。FW端山(環1)のクロスをMF森田が合わせ、土壇場で同点弾を決める。そのまま試合は終了し、2―2の引き分けで慶大は貴重な勝ち点1を得た。 試合後、須田監督は「最後まで粘り強く、自分達のサッカーを続けることでチャンスを作れた」と話した。