韓国政治、無党派が左右 金大中政権から15年

慶應義塾大学東アジア研究所・現代韓国研究センター主催の定例セミナーが先月30日、三田キャンパス大学院校舎313教室で行われた。登壇したのは札幌学院大学法学部の清水敏行教授。「韓国政治の変化と展望―金大中政権から15年を迎えて―」をテーマに、今年、国会議員選挙と大統領選挙を迎える韓国国内の政局について講演した。

清水教授は地域主義が対立する韓国での国会の過半数議席維持は困難であり、政権は政党の支持連合の構成を作為的に変えることで多数派を形成してきたと説明。主に市民運動との連携、福祉改革、政党改革が行われてきたが、「李明博政権では野党と市民社会勢力の接近、福祉改革の理念対立化、野党の選挙連合という結果をもたらした」と話した。なかでも進歩か保守かという理念対立の経済的・社会的争点として、福祉政策の重要性を強調した。

一方で選挙を左右するのは無党派だとも指摘。昨年10月のソウル市長選挙において立候補のいかんが注目された安哲秀のブームや野党民主党の支持率の不振が相まって無党派は有権者の4割を占めていると話した。

また、李明博政権のもとで野党は市民社会勢力に接近することで劣勢を克服してきた。「民主統合党と統合進歩党が結成されたが、この2つの政党の提携関係が結実しない限り新鮮味はない」と野党の選挙戦略の問題点を提示した。

清水教授は2012年の選挙に及ぼす要因として、安哲秀氏の去就、野圏連合の行方、ハンナラ党の李明博政権との差別化の行方、北朝鮮の動向を挙げたが、「今年の選挙では外交安保ではなく国内問題が有権者の投票態度を決める争点になる」と見解を示した。