【喊声】1月号

正月の風物詩、箱根駅伝。今年、1歳上の幼馴染2人が大学生活最後の箱根を迎えた。陸上部のなかった小さな中学。彼らは田舎町を毎日走り、人知れずトレーニングを積んでいた。なぜなら「走ることが好きだから」▼「好きになるには理由はいらないけど、嫌いになるには理由が必要」。これは恋愛関係でよく使われる表現である。しかし、物事に取り組むにあたっても当てはまるのではないだろうか▼「箱根の山を登っている時は苦しくて死にそうになる」と幼馴染は言う。しかし「好きだから。嫌いになる理由がないから走る」。1人はこの春からも実業団で走り続ける▼私もかつては夢を追って山を登っていたが、嫌いになる「理由」を見つける前に逃げてしまった。未だに残る後悔に、もう一度何か夢を追って走りたい衝動に駆られる▼平成の幕開けと共に誕生した我々だが、「ゆとり教育」を経て「就職氷河期」と消極的な言葉がつきまとう。そんな現代でも「理由」を見つけるまで追いたいと思える夢を見つけたい。共に夢見た舞台で今回同じ区を走った2人の姿に、これから就職活動に飛び込むにあたり初心に帰らされる思いであった。

(太田翔)