リーグ戦第5週・vs中大~120点ゲーム

10月17日 慶大127-90中大 ○
10月18日 慶大121-76中大 ○

 リーグ戦第5週。これまでの慶大は6勝2敗と好成績で首位を守りながらも、試合内容は不安の残るものばかりであった。しかし中大戦では2日間通して「慶大らしさ」を遺憾なく発揮し連勝。いよいよ「優勝」の二文字が見えてきた。

大量得点での勝利
#小野のマークにあいながらも果敢に攻める#7岩下
#小野のマークにあいながらも果敢に攻める#7岩下

 初戦は「先行逃げ切り」のプレースタイルで早々に試合を決めた。
 中大は#4小野を柱としたハーフコートバスケットを得意とするチーム。トランジションの速さを持ち味とする慶大は、#7岩下(3年・芝)の負担を軽くし、リバウンドから速攻に繋げるべく、#4小野のマークに敢えて#5小林(4年・福大大濠)をつけた。ミスマッチを物ともしない#5小林の堅実なディフェンスによって、この奇策は成功。#4小野の動きは最小限に抑えられ、中大は出鼻をくじかれた。

「一番怖いことが、小野君を波に乗せてしまって、パスワークによって周りも勢いづいてしまうっていう負の連鎖で。5対5で見てみると、小野君に負けてても他の4人で勝ってるので、僕のところで小野君とイーブンにして、後の得点は他の4人に任せました」(#5小林)

 序盤から立て続けに速攻を決めた慶大は1Qで36-11とし、中大を圧倒。その後は点差を守る形で試合を進める。オフェンスでは#4田上(4年・筑紫丘)や#16二ノ宮(3年・京北)の3Pシュートが光り、ディフェンスでも#7岩下(3年・芝)のリバウンドが冴えて、相手に付け入る隙を与えなかった。
 31点差をつけて迎えた4Qでは控えの選手が続々登場。スタメンが抜けた状況下でもなお勢いは衰えず、#20家治(2年・清風南海)や#22清水(1年・春日部)が次々と得点を決める。最後は127-90と大差をつけ慶大が勝利した。佐々木ヘッドコーチ(HC)はこの日の試合を次のように振り返った。「田上がずいぶん練習で頑張ってくれたので、チームが引き締まったのではないかな。あと、やっぱり中央とか法政のハーフコートバスケットに通用するかというのが、試金石というか、目標にしてたんで、それを思うとちゃんとやってくれたのかな」

 翌日の第2戦も#14酒井(3年・福大大濠)が「今までの中では最高の試合だった」と振り返るように、慶大が危なげない勝利を収めた。
 1Qで僅か1点のリードと出遅れた慶大は、2Qで#14酒井がドライブに3Pと活躍し、試合の主導権を掌握。この日も#4小野を抑えるべくディフェンスに徹した#5小林を、#4田上や#7岩下が支え、3Qには23点差をつけた。最終ピリオドでは#7岩下の豪快なダンクも炸裂。#4小野を封じられた中大は力なく、慶大がそのまま逃げ切る形でリーグ戦8勝目を挙げた。

「今日は入りが自分たちのペースで出来なかったんですけど、途中から我慢して、自分たちのペースに持って行けて、目標の120点を取ることができたので、いろんな反省はあるんですけど、自信にして次につなげられたらなと思います。それぐらい良い面もあった試合だったんだなと思います」(#4田上)

攻守にわたって活躍をみせる#14酒井
攻守にわたって活躍をみせる#14酒井

 特筆すべきは、この日35得点の#14酒井。「久々に活を入れたら初めて効いた。ずっと効かなかったんだけど」と佐々木HCが語るように、酒井はこれまでリバウンド、アシストでは活躍していたものの、得点で目立った場面は少なかった。しかし、この日は自ら果敢に攻め、チームの勝利に貢献した。昨年のシックスマンは、慶大には不可欠なオールラウンドプレイヤーにまで成長したといえるのではないだろうか。
試合後のインタビューで「今日はたまたま得点だったんですけど、アシストでもリバウウンドでも、自分の仕事をしっかりこなしていきたい」と謙虚に応える様子からも、向上心の高さがうかがえる。

「あの子が頑張ると、(小林)大祐も楽になるし、田上も楽になる。あの子が今年インカレ取れるかどうかがキーポイントとなると思います」(佐々木HC)

「選手層の薄さ」 克服へ
#20家治・新たなシックスマンとなれるか
#20家治・新たなシックスマンとなれるか

 これまでのリーグ戦と今回の中大戦を比較して、明らかに違うのは控え選手の活躍である。春のトーナメント戦ではチームのペースに乗りきれなかった#20家治。しかし、今では積極的に得点やリバウンドに絡めるようになった。また、#16二ノ宮の代役として出場回数の増えてきている#10店橋(4年・長岡)は、パスワークやディフェンスでガードの仕事をこなしている。
この2試合通して主に4Qに控え選手の出場が多かったが、4Qの得点を見ると、第1戦が33点、第2戦が41点。結果からしても、スターターからバックアップへうまく試合のリズムを移行できていることが分かる。「選手層の薄さ」が課題の慶大であったが、夏の練習を乗り越え、試合経験を積む中で、徐々に弱点克服へと向かっている。

「最近雰囲気のいい状態で、控えの選手もプレーを形にできるようになってきたと思うんで、それが今回はいいペースの中で出たのかなと思います」(♯7岩下)

「家治がだいぶん落ち着いてきている。バックアップの連中は途中で出ていく選手(がリズムに乗れるか)を気にするので、その6番目に出た選手が変なことをすると、それ以降も伝染じゃないけど、そうなっちゃう。だから家治がしっかりしてくると、去年の(酒井)祐典みたいにバックアップもしっかりしてくる。そういう意味では家治の調子がいいことが、他の連中にもいい影響を及ぼしてるのかな」(佐々木HC)

 リーグ戦も終盤となり、選手の疲れも溜まる頃だろう。スタメンを控えの選手がいかに支えていけるかが、残り2週をいい形で締めくくれるかどうかを左右すると言える。
次週の相手は法大。ハーフコートバスケットのチームという点では中大と似ているが、個人能力では中大に勝る。慶大が2連勝し、かつ青学大と日大が1敗以上すれば、優勝が決定する。慶大はいかなる試合展開に持ち込むか、見守りたい。

文:金武幸宏
写真:金武幸宏
取材:阪本梨紗子、岩佐友、金武幸宏、井熊里木、井上史隆