リーグ戦第3週・vs日大~不服な勝利

10月3日 慶大86-74日大 ○
10月4日 慶大87-81日大 ○

関東大学リーグ戦1部リーグは第3週に入り、混戦模様となってきた。昨年1部リーグを優勝した青山学院大、今年も優勝候補であるが、中央大に1勝を許した。青山学院大に続く強豪の東海大は法大に2連敗し、1部リーグの行方は全く見えない状況である。現時点で、青山学院大、日大、法大、慶大が4勝2敗と並んでいる。
そんな中、青山学院大、東海大戦を1勝1敗で終え、今週は日大に2勝した慶大だが、佐々木HCが「強さがない」と話したように、勝ったものの試合内容は満足のいくものではなかった。

「人為的ミス」と「スタミナ切れ」
♯5小林、「納得いく試合内容ではなかった」と2戦目を終えて話した。
♯5小林、「納得いく試合内容ではなかった」と2戦目を終えて話した。

1戦目は、立ち上がりから足の重さが目立った。日大にオフェンスリバウンドからの得点を許し、10-8のところで慶大が早々にタイムアウト。さらに、日大のスクリーンプレイに対応できずファウルがかさみ、慶大らしい速攻のプレイが出ない。しかし、3ポイントシュートや連続得点など♯14酒井(福大大濠・3年)の積極的なプレイもあり、19-13で1Qを終えた。2Q、最初の2分間は♯5小林(福大大濠・4年)の連続得点から慶大はリードを広げるも、日大のタイムアウトで流れは変わる。23-23と一気に同点にまで追いつかれ、結局39-40でリードを許し、前半は終了した。
しかし、3Q開始早々、♯14酒井が積極的にリバウンドにからみ、慶大が連続得点を決め、45-40とリードするも、日大♯4栗原のダンクシュート、♯8石川の3ポイントシュートが決まり、同点となる。その後、♯4田上(筑紫丘・4年)が連続3ポイントシュートを決め、59-56となり、流れは慶大のまま4Qを迎え、♯7岩下(芝・3年)の連続得点などでリードを広げ、86-74で勝利した。

2戦目は後半に失速したものの、逃げきった。前半は50-31とリードする。しかし、3Qで♯9飛田の連続3ポイントシュートが点差を詰められた。4Qもなお日大の勢いは止まらず、ついに78-79と1点リードされる。しかし、♯16二ノ宮(京北・3年)がオフェンスリバウンドから慶大が再び試合の主導権を握り、82-79と3点差へ。その後、日大がファウルゲームを仕掛けるも、逆に慶大が得点のチャンスを握り、3連続でフリースローを決めた。最後まで日大を抑え込み、87-81と2連勝で日大戦を終えた。
しかし、両日ともに得点は80点台止まりの試合となった。

オフェンスリバウンドから慶大の流れを再び作った♯16二ノ宮。
オフェンスリバウンドから慶大の流れを再び作った♯16二ノ宮。

2試合目の後、「1日目は完全にリバウンドがとれなくて、(慶大らしいプレイが)出来ていなかったっていうのが明確にあるんですけど…今日は最後まで体力、スタミナが持続しなくて、集中が切れちゃった状態で、オフェンスが停滞しがちだった。その中でリズム良くやっていかないと、100点ていうのはなかなか難しいですね」と♯7岩下は分析している。
1戦目は昼の試合に合わせたウォーミングアップができていないという「人為的なミス」があったと佐々木HCは指摘した。ウォーミングアップができていないことから、動けるところまでエンジンがかからず、相手にリバウンドを取られたり、ファウルトラブルに繋がってしまった。「入り方として反省すべきところはあるなという感じでした」(♯4田上)、「みんな調子が全然あがってなかったですね」(♯5小林)と言うように、試合に挑むに当たっての準備が不十分であり、選手自身も万全な態勢ではなかったと感じていた。岩下が言う2戦目のスタミナ切れ。これは1週目の東海大戦からの課題である。スタミナの持続については、もちろん個人の体力によるところもある。しかし、バックアップを上手く投入することでチームとしてスターターのスタミナを持続させることが長期に渡るリーグ戦では鍵となってくる。

起爆剤となる過去のシックスマン
チームの起爆剤となる♯14酒井。
チームの起爆剤となる♯14酒井。

今後、慶大が強さを発揮させる起爆剤となるのは、♯14酒井である。あと4週も続くリーグ戦を勝ち抜くには、バックアップの投入が重要となってくると前述した。そのバックアップが活躍できる環境を作るキーマンとなるのが♯14酒井だ。彼は昨年、シックスマンとしてチームを支え、優勝にも寄与した。この時はバックアップとしてコートに立っていたが、今はスターターとしての仕事を任されている。今回の日大戦でも前半から積極的に攻める姿が見られた。序盤から積極的に得点を決めたり、リバウンドをとったり、アシストに努めるなど得点チャンスを作った。
「先生(佐々木HC)には個人的な課題としてもっと点取ったりリバウンド取ったりってことを言われていたんで」と、♯14酒井は自分自身のやるべき仕事について話していた。
今年の慶大には、昨年の♯14酒井のようなシックスマンがまだいない。先発の5人がほぼ40分間出場した前の2週間と比べてバックアップがコートに立つことが、日大戦では増えた。4年生の♯5石井(桐蔭学園)、♯10店橋(長岡)、3年生の♯12金岡(正智深谷)、♯15澤谷(慶應義塾志木)、2年生の♯18春本(春日部)、♯20家治(清風南海)、1年生の♯桂(国立)。とりわけ♯20家治のプレイ機会は増えているものの、昨年の♯14酒井のような確実なシックスマンとは言えない。長期間にわたるリーグ戦を戦い抜くには、シックスマン、バックアップが育つことが必要である。そのためには、試合の出場機会が増え、試合経験を積むことが重要となる。
「(酒井)祐典が(今以上に)頑張れば、シックスマンがもっと楽な気持ちで出られる。ちょっと遠慮し過ぎてるんですよ。もう3年生でバスケットが思いきり出来るはずだから、実際にやらなきゃいけない。それで発破掛けているんです」と佐々木HCが話すように、♯14酒井が思いっきりプレイをすることで、バックアップが伸び伸びとプレイ出来る環境を作りたいところだ。そして、チームの「強さ」にも♯14酒井の頑張りが影響してくるに違いない。

文:阪本梨紗子
写真:阪本梨紗子
取材:阪本梨紗子、金武幸宏、井熊里木