5月19日、関東大学春季大会における慶大の初戦、帝京大学との対戦が、帝京大学百草グラウンドにて行われた。戦績は20―42で敗北する結果となった。

前半、先制点をものにしたのは慶大だった。前半開始3分、FB高木(商4)が、帝京大のディフェンスを素早く切り抜け先制となるトライを決める。続いて6分、FL山本(経2)がトライ。共にゴールは決まらなかったものの試合開始早々立て続けに先制点を奪い、かねてより帝京一強との声も上がっている中で追い風のスタートを切った。

しかし22分、帝京大のトライとゴールが決まってからはパス回しが乱れ、スローフォワードなどで相手ボールとなるなど、ディフェンスが中心の苦しい戦況となった。32分には帝京大に二つ目のトライを奪われゴールも決まり、10―14と巻き返しを許す結果となった。しかし終了間際、慶大はゴールライン手前まで攻められるも最後まで力を振り絞り、トライを譲らなかった。前半終了まで守りきり、粘り強いディフェンスで観客を魅了した。

後半は、試合開始すぐ帝京大に先制トライを奪われるものの、その後切り返しゴール前まで攻める。7分、新入生の今野による渾身のトライが決まった。続いて帝京大のミスにより慶大ボールとなるも、はがゆくもオフサイドにより相手ボールとなるなど、32分までの間で粘りつつも帝京大に3トライを許した。さらに帝京大はすべてのトライでゴールを決め、これが大きく点差が開くきっかけとなった。しかしそのような状況においても、慶大の諦めない姿勢は目を引いた。試合終了間際、ボールを取り返した慶大はPR原田(薬2)による有終のトライを決め、試合は20―42で幕を閉じた。

本試合では前半もしかり、後半は特にライン間際での苦しいディフェンスが続いたものの、慶大の最後まで諦めない姿勢が光った。帝京大相手に先制点を決めるなど、攻めの姿勢も素晴らしかった。ゴールキックが決まらなかったのが点差の所以の一つといえようか。勝利はつかめなかったものの、今後に期待が募るスタートとなったように思う。攻めと守りの調和、そして慶大らしい勢いは見事であった。唇をかむ初戦となったものの、闘志を燃やし続け、果敢に突き進んでいってほしい。

大廣 さくら