「大人になる」とはどういうことなのだろう。

20歳の誕生日を迎えると、社会からは大人として認められる。しかし、20歳になってすぐに、自分自身を「大人」だと自覚するのは難しいことである。そもそも「大人」とは実に曖昧な概念で、精神的に大人と子どもを区別することは容易ではない。

この年齢的には大人に分類されるべきでありながら、精神的にはまだ自己形成の途中で、大人社会に進出できずにいる期間をモラトリアムと呼ぶ。私たち大学生は、まさにそのモラトリアムの中で生きている。子どもから大人への成長過程にある大学生という期間の中、私たちはまず自分自身についてじっくりと考える必要がある。

大人と子どもの境目はどこにあるのか。四つの視点から考えたい。

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《大人になる、ということ》得られる権利と問われる責任 成人年齢引き下げを考える

《大人になる、ということ》コミュニケーションの道具として お酒の功罪を考える

《大人になる、ということ》個々の自立性 求められる 変化する親子関係を考える

《大人になる、ということ》人生の転機に、自分と向き合う 映画『何者』を考える

《大人になる、ということ》おわりにかえて