▼2回戦・慶應義塾(神奈川) 3 — 4 彦根東(滋賀)

第90回記念選抜高等学校野球大会は28日、阪神甲子園球場で大会第6日が行われ、慶應義塾高校(塾高)(神奈川)は彦根東高校(滋賀)に3―4で敗れた。

試合は序盤、スローペースで進んだ。塾高は1・2回共に得点圏にランナーを置くも、無得点に終わる。守ってはエースの生井が、初回から二者連続で奪三振を重ねるなど、危なげないピッチングでスコアボードに0を並べる。5回、6番・大川の右安打に続いて石田の送りバントが成功。1死三塁のチャンスを迎えるも、善波、生井の連続凡退でチャンスをつかめない。

試合が動いたのは6回。塾高は味方のエラーもあり満塁の危機を迎えると、併殺崩れの間に先制点を献上。しかし直後、マウンドに立つ生井の素早い牽制で走者を刺し、攻守交代に持ちこむ。先制点を奪われた塾高はその裏、2死三塁の好機で下山が凡退。流れを彦根東に奪われ、ここまでは森林監督が危惧していた通りのロースコアで試合が展開する。

7回、無死満塁の絶好機で打席に立ったのは8番・善波。勢いのあるスイングで初球から狙っていくと、左中間に待望の2点タイムリーが飛び出す。「若き血」のメロディーが甲子園球場を支配し、三塁側アルプスのボルテージは最高潮に達する。

しかし8回、相手打者の好走塁から2死一、三塁のピンチを作ると、レフトポール際に逆転の本塁打を許し形勢は逆転。試合は3-4のまま、塾高は突破口を見つけられずに試合終了。9年ぶりの出場となった甲子園の舞台から、初戦で姿を消した。

塾高は試合前半で再三の得点機を迎えるも、「あと1本」が出ず。森林監督が兼ねてから課題として挙げていた得点力不足を課題に残したまま、機動力が持ち味の彦根東に惜敗を喫した。今年100回目を迎える夏の甲子園大会を前に、全国の壁の厚さを思い知らされた試合となった。

(曽根智貴、広瀬航太郎)