早大第3戦、慶大は1-0で僅差のゲームを制し、5季ぶりの早大戦での勝ち点を獲得。秋の六大学野球リーグを準優勝で締めくくった。

慶大は序盤、リーグ戦初先発の早大二山に苦戦する。2回に山口(環4)がレフトへの安打で出塁、続く郡司(環1)が痛烈な打球を放つも早大木田の好守の前に阻まれ、サードライナーとなり飛び出していた1塁ランナー山口が戻り切れずダブルプレーとなるなど1点が遠い。

慶大は5回まで決め手を欠き、スコアボードに0を並べた。試合が動いたのは6回、守備でも好守を見せていた岩見(総3)がここまで好投していた二山の内角ストレートを振り抜き、打球はレフトスタンド上段に突き刺さる先制ソロ本塁打、試合の均衡を破る。終わってみればこの一打が決勝弾となり、この1点を最後まで守りきり勝利を収めた。

投げてはエース加藤拓(政4)が完封勝利。早大打線を2四球、2安打に抑え、現役最多となる26勝目を達成、大学最後の試合で有終の美を飾った。加藤は「今日が最後の試合になったが、いつもと変わらず勝つために相手を抑えることに集中できた」と振り返った。

今季首位打者に輝き、慶應で唯一ベストナインを獲得した山本瑛(商4)は、好調の理由を「練習を手伝ってくれるチームメイトみんなのおかげ」と話した。状況に応じたバッティングを心がけた結果、シーズン中全試合でヒットを放つ好成績を残した。

大久保監督は「早稲田に勝つことができて、本当に嬉しい。春の明大第1戦の1-0で勝ち切れない試合があったがこういった戦いができるようになったのも強くなった証拠だと思う。加藤は大学最後の登板で最高の投球をしてくれた。プロではもっと変化球の精度を上げることができれば十分通用する選手になれると思う。4年生の中には大学で野球人生に区切りを打つ人が多いが慶應義塾で学んだことを活かして社会をリードする人材になって欲しい」と話した。

(香西朋貴・世古宗大士・小宮山裕子)