11月29日、財務大臣など歴任し、現在は東洋大学の総長を務める塩川正十郎氏の講演会が、三田キャンパスで行われた。主催は経済学部。

 塩川氏は1944年慶大経済学部を卒業後、企業経営、青年会議所、信用金庫、市役所のそれぞれの幹部を経て1967年に衆議院初当選。以後11回当選し、国家公安委員会委員長、内閣官房長官などの役職を歴任してきた。2001年には、小泉内閣で80歳にして財務大臣に抜擢。若い世代から「塩爺」の愛称で広く親しまれ、人気を博した。

 講演では霞が関での問題を絡めて、政治や経済、医療、教育など幅広い分野にわたる多角的な話を展開した。

 政策の話題では、現在提出されている法案である、PFIに関して触れ、官僚だけではなく、民間企業にもイニシアチブを持たせなくてはならないとし、さらに官邸主導の政策の重要性を強調した。そのために、政策を動かすために、政治の現場である永田町からの号礼が必要であるとした。経済面では、現在の金融危機から、保険制度に至るまで現在の不安感の蔓延する状況に対して一言を加えた。

 講演の後の質問時間では、研究員や、卒業生の塾員などが質問。教員志望の塾員に対しては、現在の教育現場の現状を踏まえたアドバイスをした。