文学部専攻徹底解説の第7回では、心理学専攻を取り上げる。今回は、文学部心理学専攻2年・K さんにアンケートを実施した。ぜひ参考にしてほしい。
ーー専攻の雰囲気は?
少人数かつ必修・選択必修が多く同期とよく顔を合わせるため、高校のクラスのようなアットホームな雰囲気。学問に意欲的な学生が多く、大学院進学を視野に入れている方も他専攻と比べ多い。忙しい専攻だが、体力があり学業以外の活動にも精力的に取り組んでいる学生が多い印象である。
ーー人数や規模感は?
毎年 30 人弱の少人数制。実験が必須であるため、設備や指導体制の関係から人数を絞っているとのこと。
ーーどのような分野を学ぶのか?
実験心理学を学ぶ。基本的な運動や視聴覚の発達など比較的低次の脳機能から、認知・感情など高次脳機能まで、実験的手法を用いる分野であれば幅広いテーマについて研究可能だ。実験対象はヒトと動物(ラット等)である。
ーー必修やカリキュラムは?
現在 2 年生なので、2 年生のカリキュラムについて述べたい。必修や、実質的に必修に近い選択必修が多い。個々への興味の有無に関わらず、これらによって知覚・認知・学習・言語等主要な分野はひととおり学ぶことになる。学問の特性上、どの分野の研究をするとしても他分野について一定程度の理解があることが大変望ましいというのが理由だろう。どの授業においても出席はするのが当たり前の雰囲気で、また、試験前は高校の定期試験と同程度の試験勉強が必要。ほかに、アカデミックリーディング・研究法・統計などの授業がある。いずれも必修で、特にアカデミックリーディングと研究法は単位取得が進級要件である。しかし、進級要件科目については、毎回出席し課題をきちんと出していれば落とされることはあまりないようだ。また、アカデミックリーディングは合宿もあり、この授業で論文の読み方・書き方について実践的に教わることができる。
ーーこの専攻の特性は?
実験や統計などの所謂理系的な要素が強いことが一番の特性。また、よく「忙しい専攻」として名前があがるようで、それは事実だと思うが、2 年生時点では試験前を除けば極端に大変だとは感じていない。3 年の心理学実験という授業は毎回かなりの文量のレポートが課され、負荷が大きいそうだ。
ーーなぜこの専攻を志望したのか?
神経発達症・神経変性疾患の認知特性等の研究に関心があったため。
ーー専攻に入ってからのイメージの変化は?
数学に暫く触れていなかった私にとっては、統計が想定よりやや難しく感じた。当初より心理学の基礎研究に関心があって文学部に入学したためか、その他は元々の印象とあまり相違はなかった。ただ、臨床のイメージで心理学専攻を選択すると、想像していたものとの違いを感じてしまう人も多いのかもしれない。
ーーこの専攻に向いている人は?
心理学の基礎研究に関心があり、学業の優先順位が比較的高い人が向いていると思う。周囲を見ていると、入学前から心理学の特定分野への関心を強く持っていた方も多いが、科学的な手段でヒトの思考や行動のしくみを解き明かしたいという方には是非ともおすすめしたい。
次回は美学美術史学専攻を取り上げる。乞うご期待。
(金田悠汰)