クリエイター 草野絵美さん 「学生の身分に甘んじない」

プロのフォトグラファーとしても活躍する草野さん
プロのフォトグラファーとしても活躍する草野さん

「当たり前だけど、学生だから学生起業家、学生なんとかというふうに名乗るのって恥ずかしいじゃないですか。社会と接触がある時点で社会人だし、学生の身分に甘んじていては、クライアントからも相手にされません」

彼女の意見に、思わず、どきっとさせられる。

環境情報学部2年、草野絵美さん。今年の8月、クライアントワークに特化したアーティストのためのプラットフォームを立ち上げるべく、会社Kwl-E(クゥーイー)を創業。彼女の起業家としての活動は注目を浴び、10月にはクリエイティブな起業家を7日間シリコンバレーに招待する「TOFU project」 代表メンバーにも選出された。

「時間的制約もなく、いろいろな人に会える。どこにも学ぶ身だから話を聞きに行くことができるし、大人に応援してもらいやすい。本当に起業したい人にとっては、学生で起業することはメリットにもなります」と話す草野さん。いかに自分の環境を生かしつつ、社会人としての自覚を持つか。そのバランスがポイントだと話す。

草野さんは高校生の時から国内外でプロのフォトグラファーとして活躍し、現在はファッションブロガー、ラジオ番組のキャスティング、 DJとしても多彩に活動するクリエイターだ。デザイナーの両親の影響で幼い頃からファッション・アートに触れて育った。「小さい頃からなんらかの形で自己表現したいと思っていた」と話す草野さん。

「自分のクリエイションを手っ取り早く落としこめるのが写真だったんです。ファッションは『年代もの』がすごく好き。8歳ころから、大好きなブライスドールに自分でデザインした60年代風のドレスを着せて撮った写真を、自分で作ったウェブサイトにアップしていました」と現在の彼女の原点となる思い出を話す。

高校2年の時にアメリカのユタ州へ留学。「その時日本のファッションの比類無き素晴らしさに気づいた」という草野さん。帰国後、フォトグラファーとして本格的に活動を始めた。当時、ファッションの祭典であるJapan Fashion Weekへ行き、海外のジャーナリストたちに出会ったことが草野さんの転機となった。「インターネットを通じて、私が撮った日本のファッションの写真を海外に発信したんです。それがきっかけとなり、フォトグラファーとしての仕事の依頼を多く受けるようになりました」と話す。

その後、高校生にしてソニー・ウォークマンの広告ページを撮影し、イギリスを拠点にしたファッション業界紙「WGSN」の専属フォトグラファーとして活躍したりと、国際的に活動している草野さん。「周りに、自分が何をしたいか、そのために何を頑張っているかを発信することで、たくさんの人が協力してくれる。そういう人に支えられて実現へつながったんだと思います」と謙そんしながら語る。

「マグネットガール」。ちまたで呼ばれる草野さんのこの愛称は、彼女の活動の基盤だ。「磁石みたいに人を惹き付けて巻き込んでいくという意味らしいです」と笑う。ソーシャルメディアを通して、自分が実現したいことを世に発信することが行動につながり、人を巻き込み、数々の希望を叶えてきた。「会いたい人がいると、2週間から半年のスパンで、必ずといっていいほど巡りあわせていただくことが多いです。一番すごい時は、Twitterで村上隆さんに会いたいとつぶやいていたら、1週間ほどで会えちゃいました」と振り返る。

「一つのことだけに定めないでさまざまなクラスタに飛び込むのが私のスタンスです。そうしてインスピレーションを得て、これからも多様な方々とクリエイティブなものをつくって発信していきたいです」と今後の目標を語った。

Twitter: @gyorome (https://twitter.com/#!/gyorome)

公式サイト: kusanoemi.com
(工藤玲奈)

写真は草野さん提供