全塾協議会、積極的な広報を

今月20日から、第53回三田祭が開催される。塾生が自主的に運営してきた三田祭の歴史は、学生自治の歩みでもある。

現在、塾生の自治活動の基本方針を決定しているのが全塾協議会である。全学部生から自治会費を徴収し、全塾の所属団体を通じて塾生の福利厚生に還元している。一人当たりの自治会費は年間750円だ。

全塾協議会の執行機関である事務局で、一昨年から事務局長・次長を務める神村健太郎氏(政4)とレダ太郎氏(文4)は、就任当初から自治会交付金の増額を目指してきた。自治会費は1958年当時の物価水準で決定された。そのため、近年は全塾の運営が厳しくなっているという。

今年6月に開催された協議会の議事録によると、今年度回収した自治会費だけでは、協議会を運営する際に400万円の赤字に陥る可能性が指摘されている。翌月7月の議事録には「増額は早くとも再来年からとなる見込み」と追記がされた。仮に400万円の赤字を補てんするには、単純計算で一人当たり約140円の負担増となる。

確かに、自治会費を値上げすることに対しては納得できる部分も多い。少額の値上げで福利厚生の充実につながるならば、塾生にとってメリットは大きいはずだ。

だが、自治会費の値上げを優先するあまり、積極的な広報活動や交付金配分の透明化といった課題をないがしろにしてはならない。

半世紀に渡り不変だった自治会費を値上げする。これは慶大の学生自治において、決定的な転換期である。全学部生に向けて問題提起をすることが不可欠だ。

しかし、公式ホームページ上の会報やプレスリリースは、今年4月から全く更新されていない。さらに、去年までは実施されていた会議のユーストリーム配信が、今年は滞っている。Twitterでの情報提供も止まり、議事録は先月・先々月にやっと更新された。人手不足もあるだろうが、選挙期間にかかわらず、広報に関する地道な努力をおこたってはならない。

さらに、全塾に所属する団体への交付金が健全な運営に使用されているのか、今後も徹底して確認する必要がある。

2008年5月、園遊会を主催していた全塾所属の卒業準備支援委員会が、不透明な財務管理や多額の負債を理由に解散した。イベント会社に実質的な運営を委ねるなど、学生自治とはかけ離れた実態が浮き彫りとなった。

その影響はなお続いている。園遊会の公式開催にはいまだ至っていない。安易に値上げが実施されれば、同様の不祥事が繰り返される可能性も否定できない。

一方で、塾生一人ひとりの姿勢も重要である。個人の負担は小額であるが、総自治会費は年間2000万円を超える。これほどの金額が学生によって運営されている以上、塾生には責任が伴う。全塾協議会に対してもっと関心を寄せることが大切だ。

来月は全塾事務局長・次長の選挙が実施される。自治会費の値上げを争点に、今後の学生自治の在りかたを考える機会にしたい。 (横山太一)